スマッシング・マシーン、ほら穴に入る「男」について

スマッシング・マシーン、ほら穴に入る「男」について

June 25, 2026 · 54 min · Season 1 · Episode 207

About this episode

このエピソードでは、映画『スマッシング・マシーン』を通じて男性の孤独と脆さについて語り合います。

M51.今回は、ベニー・サフディ監督、ドウェイン・ジョンソン主演の映画『スマッシング・マシーン』を軸に、「男」の(身勝手な)孤独と脆さについて、男二人で語り合う試みです。筋骨隆々の“ロック様”が従来のヒーロー像を脱ぎ捨て、精神的な負荷から沈黙し、殻に閉じこもってしまう――いわゆる「ほら穴(洞窟)に入る/電池が切れる」といった男性特有の現象。揺れるカメラが「ゼロの表情」の彼を、何度も捉えています。本作が何よりも突出している点は、ここにある! 興味深いことに、ジョシュ・サフディ監督の『マーティ・シュプリーム』でも、まったく同じようなショットが繰り返し登場します。『スマッシング・マシーン』と『マーティ・シュプリーム』は、ともにサフディ兄弟による「男」映画なのではないか――、「自由意志に導かれ、逃げ続ける男」と、「責任と優しさを背負いすぎて自壊していく男」。共通するショットは、間違いなく男たちの脆さを語っていると思います。 また、90年代末、熱狂の渦中にあった「PRIDE」という舞台も、「男を取り戻すための興行」とも言えます。ドラッグと暴力に塗れた野蛮な興行のバックステージ。その中に放り込まれた「誠実なマッチョ」が、自らの弱さと向き合いながら、どう生き抜いていくのか。その姿は、同じくリング上の男たちの呪いを描いた傑作『アイアン・クロー』はもちろん、キッチンやリビングという戦場を舞台にした『ブルーバレンタイン』や『マリッジ・ストーリー』、『レボリューショナリー・ロード』など…。素晴らしい戦いが記録された映画を思い起こさずにはいられません。 降りられないレールの上、ただ黙って、ゼロになり、リロードのために沈黙することしかできない男たちの苦悩。それでもやっぱり生きていかなければならない、ということ。本作を手がかりに、「男として生きることの痛み」を分かち合うため、やはり私たちは話さずにはいられなかったのです。 ◆ベニー・サフディ「 スマッシング・マシーン 」(2026) あらすじ:《1997年の総合格闘技デビュー以降、無敗のまま頂点へと駆け上がったマーク・ケアー(ドウェイン・ジョンソン)。 UFCでの連覇を経て、日本のPRIDEでも快進撃を見せると「霊長類ヒト科最強の男」の異名で恐れられる存在となる。しかし勝利を重ねるほどに、その重圧は彼の心を静かに浸食。同棲する恋人ドーン(エミリー・ブラント)との関係も次第に悪化していき、鎮痛剤への依存を深めていく。やがて初めての敗北を喫した“最強の男”は、ついに自らの弱さに向き合い、人生の再起をかけもう一度リングに挑むことを決意する――。》 ◆ジョシュア・サフディ「 マーティ・シュプリーム 」(2026) ◆Discord https://discord.gg/NxH9y5t29V 「心の砂地#kokosuna…

People in this episode

Host: 不明

Topics covered

Keywords

Mentioned in this episode

Organizations: PRIDE

Books & works: スマッシング・マシーン, マーティ・シュプリーム, アイアン・クロー, ブルーバレンタイン, マリッジ・ストーリー, レボリューショナリー・ロード

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