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第592回:Google AI ModeとChatGPT Searchの引用元の変動はどれくらい?
May 17, 2026
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| 3/18/26 | ![]() 第589回:Web活用・データ活用できない会社の原因を「個人のスキル不足」と決めつけることについて✨ | データ活用組織の課題+3 | — | — | — | データ活用スキル不足+3 | — | — | |
| 3/6/26 | ![]() 第588回:その勝手ランキング・比較・○○選記事、大丈夫ですか?|Google評価とAI時代の新リスク✨ | Google評価AI時代+3 | — | ラウンドナップ・Webコンサルティング | — | 勝手ランキング比較記事+3 | — | — | |
| 2/26/26 | ![]() 第587回:AI時代のスキルアップに必須な“生の経験の蓄積”を急いで行おう✨ | AIskill development+3 | — | ラウンドナップWebコンサルティング | AI | AIskill up+4 | — | 22m 41s | |
| 2/19/26 | ![]() 第586回:対話型AIから思ったようなアウトプットが出ないときに中小企業がおさえるべき「力」✨ | 対話型AIプロンプト+3 | — | — | — | 対話型AIプロンプト+3 | — | 20m 11s | |
| 2/5/26 | ![]() 第585回:Gmail×AIで「メール営業の負債が露わになる」時代に…今すぐ対応すべき事とは✨ | AIemail marketing+3 | — | Personal IntelligenceGemini+1 | — | GmailAI+3 | — | — | |
| 1/25/26 | ![]() 第584回:Webサイト制作の民主化がより進むAI時代、中小企業が伸ばすべき領域はどこか?✨ | Webサイト制作AI時代+3 | — | ラウンドナップWebコンサルティング | — | Webサイト反応+6 | — | 17m 13s | |
| 1/22/26 | ![]() 第583回:タイパ重視のユーザーに対してやるべき事は?|良いことばかり書いても売れない時代のWeb戦略✨ | Webマーケティング消費者心理+3 | — | — | — | タイパコスパ+3 | — | 16m 10s | |
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| 1/4/26 | ![]() 第582回:ショート動画まとめ回「SEOでの集客がメインのWebサイトでは「お客さまロールプレイ」が効果大です」など✨ | SEOWebマーケティング+3 | — | YouTubeショートFacebookのリール+4 | — | SEO集客+3 | — | 14m 05s | |
| 12/28/25 | ![]() 第581回:ショート動画まとめ回「AIにゼロ→イチを任せていませんか?それがAIの返事に満足できない原因かも?」など✨ | AI活用中小企業+3 | — | AIYouTubeショート+6 | — | AI中小企業+7 | — | 11m 36s | |
| 12/25/25 | ![]() 第580回:ショート動画まとめ回「Web集客の前に自社に関する生成AIの誤情報を放置していませんか?など | 皆さんこんにちは、ラウンドナップ・ウェブコンサルティングの中山です。本日も「会社と経営者を強くする実践ウェブ活用ポッドキャスト」を始めていきたいと思います。ぜひとも最後までお聞きいただければと思います。 今回は年末年始ということで、YouTubeショートなど各プラットフォームで毎日配信している1〜2分前後の動画コンテンツを、ポッドキャスト用にいくつかまとめてお送りしようと思います。 すでに実験的に開始して3ヶ月ほど経過しており、試行錯誤している段階ではありますが、およそ100本ほど公開しています。その中から1週間分ほどをピックアップしてお届けします。特定のテーマに限らず、その時々に伝えたいことをベースに発信しています。 ショート動画向けに作成しているため、本来は画面上のタイトルで内容がわかるものですが、音声のみのポッドキャストでは伝わりにくい部分があります。そのため、合間に合成音声でタイトルをアナウンスしますので、その内容についての話題だと思ってお聞きください。 もし内容を面白いと感じていただけたら、YouTubeショート、Facebookページ、Instagram、TikTok、stand.fmなどで毎日お昼の12時頃に配信していますので、ぜひフォローしていただけると嬉しいです。それでは、まずはこちらをお聞きください。 ショート動画など配信先 Youtubeショート:https://www.youtube.com/@Web-Consulting/shorts Instagram:https://www.instagram.com/roundupconsulting/reels/ TikTok:https://www.tiktok.com/@roundup_web StandFM(音声のみ):https://stand.fm/channels/620ddacbeb302d8b48c746c9 話題1:自社に関する生成AIの誤情報を放置していませんか 評判管理というタスクは企業の中で重要度を増しています。Web上で誰もがつながり、情報共有できる現代において、過去の些細な不祥事などが一つあるだけで信頼が失墜し、採用や業務提携に影響が出ることも少なくありません。 もちろん、うかつな行動を慎むことが前提ですが、デタラメな情報の流布を防ぐという意味でも評判管理は非常に重要です。 具体的なチェック方法 検索エンジンの観点では、評判が良くない会社とセットで検索されやすいキーワードをチェックすることをお勧めします。 「ブラック」 「悪徳」 「離職」 こうしたネガティブなワードと、自社の「会社名」や「代表者名」を組み合わせて検索してみてください。調べられる語彙はある程度決まっていますので、定期的にこれらをチェックし、自社の評判を確認することをお勧めします。 話題2:Webマーケティングの新手法や新技術:いつやるべきかの判断基準 Web業界は新しい技術やPR手法が次々と登場します。どれを取り入れるべきか悩ましいところですが、考え方を少し変えてみることをお勧めします。 顧客視点での導入判断 「将来主流になるから」「みんなが使い出すから」という受け身の姿勢ではなく、以下のように考えてみてください。 自分たちの顧客に使ってもらいたいものか 顧客にとって大きな価値があるものか 世の中に存在する様々なものの中から、ターゲットとする顧客に価値を提供できるものを探します。見つけたものが流行していようがいまいが、顧客に提案し、一緒に取り組むことでお互いにプラスになる「Win-Win」な関係を目指してください。 このように情報収集を行うことで、モチベーションも変わり、自社にも顧客にもプラスの結果をもたらすことができるはずです。 話題3:Webサイトの「なんとなくの違和感」を放置していませんか Webサイトに対して感じる定性的なモヤモヤや、「なんとなくおかしい」という感覚。そこから議論を始めても全く問題ありません。 むしろ、現場に近い人たちの感覚を拾い上げることが、実質的で生々しい改善につながることが多々あります。そうした声を拾える仕組みを作っておくことをお勧めします。 実際に施策として実行するか、予算をかけるかは別の議論ですが、データには表れない現場の声を吸い上げ、実際の改善につなげられる企業は強いです。ぜひそうした感覚を大切にしてプロジェクトを進めてください。 話題4:SEOにおける「サジェストローラー作戦」は古いのか あるキーワードに対してGoogleが提示するサジェストワードを網羅してコンテンツを作る「サジェストローラー作戦」。これには賛否両論ありますが、あくまで手法の話であり、品質の話とは分けて考えるべきです。 手法と品質を分けて考える あるトピックスに関して価値のある情報を積み上げていくこと自体は、何ら悪いことではありません。問題なのは、ネット上の情報を再構成しただけの「低品質」なコンテンツで網羅を目指すやり方です。これはAI時代においては効果がありませんし、以前から効果は薄いものでした。 一方で、自分たちの知識やまとめ方を駆使し、品質が高く顧客に役立つコンテンツを作る観点で行うのであれば、全く問題なく、むしろプラスに働きます。 話題5:Web戦略とAI活用:強みの強化より先にやるべきこと これからAIを活用・導入しようとしている企業にお勧めするのは、「自分たちの弱みを減らす方向」での活用です。 AIを使って従業員の能力を伸ばし、強みを増やそうとするのは魅力的ですが、難易度は高いです。一方、弱みを減らすことは比較的難易度が低く、成果が出やすい傾向にあります。 AIが持つ知識は様々なベストプラクティスの集合体であるため、物事を「平均値まで持っていく」ことに長けています。逆に、他社にない独自の強みや突飛な発想を生み出すことは苦手です。 そのため、まずは弱みを減らす領域でAIを活用して評価を得て、慣れてから強みを伸ばすというステップで進めることをお勧めします。 おわりに 今回のYouTubeショートまとめは以上になります。 毎日お昼頃にYouTubeショート、Facebookリール、Instagram、TikTok、stand.fmなどで配信しています。毎日の習慣、昼活のようなイメージでチェックしていただければと思います。 Web活用についてご不安なことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。ラウンドナップ・ウェブコンサルティングの中山がお送りいたしました。また次回もよろしくお願いいたします。 Podcastの内容に関するFAQ 自社に関するネット上の悪い評判や生成AIの誤情報は、どのようにチェックすればよいですか? 検索エンジンで、自社名や代表者名と一緒に「評判」「ブラック」「悪徳」などのネガティブなキーワードを組み合わせて検索し、定期的にチェックすることをお勧めします。生成AIについても同様に自社について質問し、誤った情報が出ていないか確認することが重要です。 Webマーケティングの新しい技術や手法は、どのタイミングで導入すべきですか? 「将来流行るから」という理由ではなく、「自社の顧客にとって価値があるか」を基準に判断することをお勧めします。顧客にメリットがあり、自社とのWin-Winな関係が築けるものであれば、流行に関わらず導入を検討してください。 Webサイトに対して感じる「なんとなくの違和感」は、改善の根拠になりますか? はい、なります。数値データには出ない定性的な違和感は、現場の生々しい感覚を反映していることが多く、重要な改善点である可能性があります。現場の声を拾い上げ、議論の出発点とすることを推奨します。 SEO対策としての「サジェストローラー作戦」は、現在でも有効ですか? 手法自体が悪いわけではありませんが、単にネット上の情報を網羅しただけの低品質なコンテンツ作成は有効ではありません。AI時代においては、自社の独自の知識や経験に基づいた、顧客に役立つ高品質なコンテンツを作ることが重要です。 これから業務にAIを導入する場合、どのような方針で活用するのが効果的ですか? AIは既存のベストプラクティスに基づき平均点まで引き上げることが得意なため、まずは「弱みの削減」や「業務の効率化」に活用することをお勧めします。独自の強みを伸ばすのは難易度が高いため、まずは弱みを減らすことから始めて成功体験を積むのが良いでしょう。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第580回:ショート動画まとめ回「Web集客の前に自社に関する生成AIの誤情報を放置していませんか?など は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。 | — | ||||||
| 12/8/25 | ![]() 第579回:AI時代にメールマーケティングはどうなっているのか?2025年最新調査からの現状 | ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 このPodcastで得られること このPodcastでは、AI時代におけるメールマーケティングの現状と、これから何を変えるべきかを整理しています。ざっと目を通してもらうと、次のようなポイントが分かるようになっています。 チャットツールやSNSが増えても、メールマーケティングが依然として強い理由と、今後5〜10年の見通し 送信側と受信側、それぞれでAIがメールに与えている具体的な影響と、テクニック頼みが通用しにくくなる背景 これからのメールマーケティングで押さえるべき設計の考え方と、実際の始め方・ツール選定のポイント 結論から言うと、メールマーケティングは今も主力チャネルのひとつであり、AIによって「やりやすくなる部分」と「ごまかしが効かなくなる部分」がはっきり分かれてきているという状況です。テクニックを盛る前に、サービスや商品の設計と、要約されても伝わるメール内容に切り替えることが重要になります。 AI時代でもメールマーケティングが主力チャネルであり続ける理由 AIの話題やコンテンツマーケティングの話題が増える一方で、メールマーケティングそのものが語られることは以前より減っています。「チャットツールやSlackが普及したから、そろそろメールは厳しいのではないか」といった声も長くありますが、現場感としてはBtoBを中心に、メール経由のコミュニケーションは依然として非常に強いチャネルのままです。 「メールが弱くなった」と言われる場面の多くは、社内連絡や既存顧客との日常的なやり取りの話です。そこは確かにチャットツールに置き換わりました。ただし、見込み客へのセールスや情報提供のチャネルとして、メールの代わりになるものはまだ出てきていません。 一時期、BtoCではLINEなどのメッセージングアプリがメールの代替になるのではないかと言われました。LINE公式アカウントからクーポンやお知らせを送る取り組みは成立していますが、メールマーケティングで行っているような腰を据えた「濃いコミュニケーション」までは置き換えられていない状態です。 大きな理由のひとつが公私の切り分 大きな理由のひとつが公私の切り分けです。メッセージアプリはどうしてもパーソナルなやり取りのイメージが強く、そこにセールスや会社からの情報を混ぜたくない、という感覚があります。LINEの有料プランを使えばプロフィールを分けることもできますが、あまり親切な設計とは言いにくく、現実としてはメールが使われ続けています。 BtoBではメールが主力 既存顧客との継続的な接点としても、特にBtoBではメールが主力のままです。代替手段として挙げられるチャットやメッセージアプリが、売上面で決定的な成果を出しているかというと、そうはなっていません。こうした状況からも、メールは今後しばらく主力チャネルであり続けると考えてよいです。 さらに、ゼロクリックサーチ(検索結果ページ上の要約やスニペットだけで用が足りてしまい、サイト自体にはアクセスされない検索行動)やブランド検索の増加によって、ユーザーは「信頼できる会社や個人を見つけたら、そこからの情報だけを追う」という行動に寄っていきます。そのときにダイレクトに届く手段としてのメールは、むしろ価値が上がっていると言えます。 送信側から見たAIとメールマーケティング AIとメールの関係で、まず押さえておきたいのが送信側のAI活用です。ここは昔から「最適化」という文脈でさまざまな機能がありましたが、今はそれが本格的にAIとして組み込まれたツールが増えています。 AIで楽になる仕事:コンテンツ作成と配信のPDCA Validityのレポート「The State of Email 2025 from Litmus」と、それを参照しているNukesendの「2025 AI Email Marketing Trends」などによると、メールキャンペーンでAIを使っているマーケターはすでに多数派で、クリック率や売上でも非AIより良い結果が出ていると整理されています。 メールマーケティングは、しっかりやろうとするとどうしても手がかかるチャネルです。件名を考え、本文を書き、配信時間を決めて、ABテストをして、ステップメール(あらかじめ決めたシナリオで自動配信するメール)を設計して……と、一通りやろうとするとかなりの工数になります。 そこで今大きく効いているのが、コンテンツ作成と配信のPDCAに対するAIの支援です。具体的には次のような部分です。 件名の案出しとテストパターンの生成 配信時間の最適化(読まれやすい時間帯の自動判定) ステップメールやキャンペーンシナリオの構成案やトピック案の生成 こういった領域はAIが非常に得意です こういった領域はAIが非常に得意です。海外の調査では、以前は「メール1通の制作に2週間以上かかる」と答えていたチームが全体の6割以上だったところ、AI活用が進んだ結果、それが1桁台まで減ったというデータも出ています。コンテンツ作成がボトルネックでメールマーケティングに踏み出せなかった方にとっては、今はかなり良いタイミングになっています。 これまで、ステップメールのシナリオ作成や、「メール登録+ダウンロードコンテンツ」のようなフロントエンド商品(最初の接点づくり用の小さめのオファー)づくりが重くて手を付けられなかった場合も、今はAIを活用することで一気に形にしやすくなります。メールの中身を考える負荷が下がることで、「やりたいけれど時間がない」状態から抜けやすくなるという実感があります。 AIに任せてよいところと、任せてはいけないところ とはいえ、すべてをAIに丸投げしてよいかというと、そうはなりません。現場の声としても、ネタの元からすべてAIで一括生成するのは良くないという意見が多く出ています。 AIに任せてよいのは、例えば次のような部分です。 社内の資料や既存コンテンツを読み込ませて、メール本文のたたきを作らせる 書いた文章を分かりやすい構成や文章に整えてもらう 件名やリード文の候補を複数出してもらい、テストにかける 一方で、「そもそも何を伝えるのか」「どんな価値を提供するのか」といった元ネタや設計は、人間が持っている必要があります。ここまでAIに渡してしまうと、中身が薄くなり、要約された時に何も残らないメールになってしまうんですよね。 イメージとしては、ネタと方向性は自分たちで決めて、その先の具体化やブラッシュアップをAIに手伝ってもらう形がちょうど良いです。ChatGPTやGeminiのような対話型AIに「自社の商品・サービス」「最近のお客様の状況」などを投げて、「この前提でメール案を出して」と依頼すると、かなり使えるものが出てきます。 メール配信ツール選び:AI機能があるものを前提にする メールマーケティングをやるなら、メール配信ツールを使うことは大前提です。今もローカルでCGIを動かしたり、ただメールを一斉送信するだけの仕組みを使っているケースもありますが、そろそろクラウド型の配信ツールへの乗り換えを考えた方がよい段階になっています。 特に、次のようなAI機能を持っているツールを選ぶと、効果と運用負荷のバランスが一気に変わります。 件名の自動最適化や複数パターンのテスト機能 読者一人ひとりの開封傾向をもとにした配信時間の最適化 ステップメールやキャンペーンシナリオの提案・自動配分 こうした機能はAI登場以前から存在していましたが、AIによって精度と使いやすさが大きく上がっている領域です。ツール側が最先端を追いかけてくれていれば、自動的にその恩恵を受けられます。 一方で、現場の感覚としては、メールの本文エディタがまだ使いづらいツールも多いのが正直なところです。AIと本文エディタがシームレスにつながっていて、情報の入力から本文生成、配信設定までを一気通貫で支援してくれるツールは、まだそこまで多くありません。もしそういったものが出てきたら、私自身もすぐに試したくなる領域です。 海外ツールを検討する価値 メールマーケティングツールは、海外製の方が機能面でも価格面でも進んでいるケースが多いです。日本国内のツールだと、月額1〜3万円くらいのプランが普通にありますが、海外ツールに乗り換えるだけでコストを大きく圧縮できるケースもあります。例えば、半分〜10分の1程度になることもあります。 為替の影響はあるものの、現時点では海外ツールの方が割安で、AIまわりの実装も早い傾向があります。最近は日本語対応しているサービスも増えているので、まず海外ツールを候補に入れて検討するのは十分意味があります。 開封率というボトルネックと、AIが効くポイント どれだけよいメールを書いても、開封されなければすべてがそこで止まってしまうんですよね。メールマーケティングにおいて、開封率は一番大きなボトルネックです。 何も考えずに大量配信していると、開封率が10%台というケースも珍しくありません。私のところでは、そもそも好きで登録してくださっている方が多いので、開封率は5〜6割を超えることも普通ですが、それでも半分近くは読まれていない計算になります。 お客様の現場で運用する際には、ひとつの目安として次のようなラインを置いています。 当日開封率30%以上をキープする できれば40%以上を目指す トラッキングオフなどで計測されない開封も増えている前提で見る ここに効いてくるのが、AIによる配信時間と件名の最適化です。一人ひとりの開封パターンを学習し、「この人はこの時間帯だと読んでくれやすい」というタイミングで配信してくれる機能は、すでに実装されていて、精度も上がっています。 こうした機能はAI登場前から存在していましたが、アルゴリズムの進化でより効果が出るようになっています。コンテンツ部分と配信周りの両方をAIにサポートさせることで、メールマーケティングのハードルはかなり下がると感じています。 受信側のAI変化:サマライズが「テクニック売り」を無効化していく 送信側以上に、これから影響が大きくなるのが受信側のAIです。特に、メールの要約機能がいろいろなツールに組み込まれ始めています。 Gmailを使っていると、ある程度の長さがあるメールなら、上の方にそのメールの概要(サマリー)が出てくる場面が増えています。iPhoneなどでも、OSレベルで要約機能が入ってくる流れがあります。 さらに、ChatGPTが組み込まれているブラウザ「ChatGPT Atlas」では、画面の左にウェブページ、右にChatGPTというレイアウトで表示され、そのページを開いた瞬間に「このページで多くの人が気にしそうな質問」がプリセットで3つほど並ぶようになっています。 例えばショッピングサイトを見ていると、次のような質問があらかじめボタンとして表示されます。 この商品と他社製品の機能を比較する この商品の価格が最安かどうかを調べる 自分の用途に合っているかどうかを整理する ユーザーは自分でプロンプトを打たなくても、その中から選ぶだけで知りたい情報を整理してもらえるようになります。これと同じことがメールでも起きてくると、従来の「読ませてその気にさせる」タイプのテクニックが一気に効かなくなる可能性があります。 セールスメールが要約され、比較される前提になる 例えば、あるセールスメールで「新商品のキャンペーン」「セミナーの案内」「期間限定の割引」などを案内していたとします。GmailやOutlook側でジェネレーティブAIと連携し、次のようなプリセットが並ぶ未来は、近い将来の話として十分考えられます。 過去12ヶ月のキャンペーンと比べて、本当にお得かどうかをチェックする 競合他社の似たサービスと価格・機能を比較する 自分にとってどんなメリットがあるかを一言でまとめる ユーザーがボタンを押すだけで、AIがメールの中身を読み込み、他の情報源も参照しながら「これは本当にお得か」「この会社はどういうポジションか」をまとめてくれるようになります。こうなると、表面的なお化粧や煽りコピーだけで売るやり方は、かなり厳しくなると見ておいた方が安全です。 ゼロクリックサーチによって、ランディングページ上で一生懸命工夫しても、検索結果の要約だけで用が足りてしまうケースが増えました。メールも同じように、コンテンツの本質だけが評価され、ダイレクトマーケティング的なテクニックの価値はどんどん薄れていく流れになります。 「期間限定キャンペーン」がAIに暴かれる日 特に、メールのフロントエンド商品として「月末だからキャンペーン」「年末だけの特別割引」といったやり方を繰り返している場合、AIにはパターンがすぐに見抜かれます。 例えばAIに、次のようなことを調べさせたとします。 この会社は昨年どのくらいの頻度で同じようなキャンペーンを打っているか 「期間限定」と言いながら、実際にはどれくらい延長していることが多いか 競合と比べて本当に値引率が高いのか 過去のメールやウェブ上の情報から、こうしたパターンは簡単に出せてしまうんですよね。その方がお客様にとっては親切なので、メールクライアント側がそうした機能を標準装備してくる可能性も十分にあります。 Googleはすでに、自社プロダクト間のオートメーションを簡単に組める仕組みを出していて、「Google側がデフォルトでいろいろやる」方向に向かっています。アルファベット、マイクロソフト、OpenAIといったプレイヤーが関わる領域では、テクニック頼みの施策はいずれ意味を失う前提で考えておく方が安全です。 仮に、メールクライアント側のAI要約が想定ほど普及しなかったとしても、商品・サービスの中身を鍛え、本質的な価値で売る準備をしておくことはまったく無駄になりません。その上でテクニックがまだ効くなら、プラスアルファとして活かせばよいからです。 BtoBの「メール一斉配信で刈り取る」モデルも変わる 特にBtoBでは、一斉配信するメールを「最初の受注をまとめて取る場」として位置づけるモデルが多くあります。サブスクモデルになる前の初期契約を、メールへの反応を起点に取っていくスタイルです。 ところが、メールクライアント側でAIが要約と比較をしてくれるようになると、「とりあえずテクニックで一度だけ買ってもらう」やり方は厳しくなります。どのチャネルでも、コンテンツだけでなくテクニック売りは通じにくくなると見ておいた方が安全です。 LINEなどプラットフォーム依存のチャネルは、AI要約への対応が少し遅れるかもしれませんが、Googleやマイクロソフト、OpenAIが関わるチャネルについては、早い段階で影響が出てきます。 これからのメール設計:要約されても伝わる前提にする では、こうした変化の中で、これからのメールマーケティングはどう設計すればよいのでしょうか。大きな方向性としては、次の三つになります。 テクニックではなく、サービスや商品の本質的な価値で勝負する AIに要約されても、伝えたいことがきちんと残る構成にする メール1通の中で必要な情報が完結するように設計する メールの本文がすべて読まれない前提は、これから一層強くなります。その一方で、AIから見ると「メール1通の中で完結している情報」の方が扱いやすいので、むしろメールの中にきちんと情報を入れておいた方がよい場面が増えていきます。 今までは、Gmailなどで下の方が省略されてしまうこともあり、「長くなりすぎないようにしよう」「詳細はサイトに飛ばして読んでもらおう」という考え方が主流でした。これからは、ランディングページをそのままメールとして送るくらいの発想でも問題ありません。 AIから見れば、いろいろなサイトを跨いで情報を集めるより、ひとつのメールの中で必要な情報が揃っている方が扱いやすいからです。Google側がこれを締め付けるインセンティブもあまりないので、メール1通の中で完結させる方向に振ってしまって構わないと考えています。 大事なのは、次のような本質的なメッセージが、要約されてもブレずに残るようにすることです。 このメールは何を言いたいのか どんなサービス・商品を、どんな位置づけで提案しているのか 読み手にとってどんな価値があるのか メールマーケティングはあと何年使えるチャネルか ここまで聞くと、「AIがここまで進むなら、そもそもメールは近いうちに意味がなくなるのでは」と感じる方もいるかもしれません。現場感としては、メールは少なくとも今後5年は十分に戦えるチャネルであり、そのまま習慣として10年続いてもおかしくないと見ています。 メールマーケティングが本当に意味を失うとしたら、例えば次のような世界観になります。 Gmailがすべてのメールを取り込み、RSSフィードのようにトピックごとに自動で整理する ウェブ上のコンテンツとメールをまとめて、「自分が追いたいテーマ」のダッシュボードを自動生成する ユーザーはそのダッシュボードだけ見ていれば、外部との情報接点のほとんどをカバーできる こうした文化が定着すれば、メールという単体のチャネルの意味合いは変わってきます。ただ、現時点でChatGPTやGeminiを日常的な購買行動に使っている人はまだそこまで多くなく、そこに到達するまでには時間がかかります。 少なくとも、今からメールマーケティングを始めて、5年スパンで育てる価値は十分にあると考えています。AIによって意味がなくなり始めているどころか、むしろ「本質で勝負するメールに切り替えるチャンス」が来ている、と捉えてもらうのが良いと思います。 中小企業の現場での実感:まだまだメールは読まれている 私自身のところでは、ポッドキャストを配信して、その内容をかなり丁寧にテキストコンテンツ化しています。今ご覧いただいているような形のコンテンツを、そのままメールで自動的にお送りしている運用です。 メールとしてもしっかり読み物になるようにページを作り込み、その内容を配信するだけですが、開封率も高く、そこからのお問い合わせも実際に発生しています。登録してくださっている方々は、ほとんどが中小企業・小規模事業者の方々です。 その実感からも、中小企業向けのビジネスであっても、メールは普通に読まれていると考えて問題ありません。チャットやSNSが増えたからといって、「メールは誰も読んでいない」と決めつけてしまうのはもったいないです。 メールマーケティングをどう始めるか:まずは設計とリストづくりから 「メールマーケティングをやった方がよいのは分かった。では何から始めればよいのか」という問いに対しては、とりあえず送り始めればいい、というものではないとお伝えしています。 よくあるNGが、リストを購入して一斉送信してしまうパターンです。これはもう、やらない方がよいですし、むしろマイナスに働くこともあります。 現実的には、次のような流れで考えるのがよいです。 半年〜1年くらいのスパンでリストを育てる前提を置く どんな情報をどの順番で届けると、お客様にとって価値が高いかを設計する そのうえで、AIに本文作成や件名案出しを手伝わせる 最初の設計だけでも相談したい、という場合でも構いません。メールマーケティングの設計やステップメールの組み立てだけのご相談も受け付けています。 業種によって向き不向きがあるのも事実ですが、そのあたりも含めて「この業種ならこういうやり方が合いやすい」といったストックはありますので、気になる方はお問い合わせいただければと思います。 メールマーケティングは「数字が見える」から楽しくなる メールマーケティングの良さのひとつは、開封率やクリック率、反響などが数字ではっきり見えることです。テストを重ねると、件名ひとつ、配信時間ひとつで反応がどう変わるかが分かりやすく、マーケティング好きな方にとってはハマりやすい分野になります。 一方で、これからはテクニックだけで数字を作るのではなく、サービス設計とメール内容の本質を磨いていくことがますます重要になります。AIに要約され、比較される前提でメールを設計していくと、メールというチャネル自体の価値も長持ちします。 お知らせ:ショート動画配信とご相談窓口について 最後に、いくつかお知らせです。 最近は、単発のYouTubeショート動画をほぼ毎日1本、TikTok、Instagram、Facebookでも、それぞれのチャネルで1日1回程度、縦型のショート動画を配信しています。YouTubeは昼、それ以外は夜7時前後に出していることが多いです。 1本あたり2分前後で、毎回ひとつのトピックだけを取り上げています。セールス要素は入れていませんので、「2分でサッとインプットして、自社の現場にどう活かすかを考えてみる」という習慣づけに使ってもらえると嬉しいです。 また、12月は何かと忙しい時期ですが、来年に向けたご相談や、無料診断・無料相談は引き続きお問い合わせフォームから受け付けています。メールマーケティングに限らず、ウェブまわり全般で「どこから手を付けるべきか整理したい」という段階でも構いません。 ラウンドナップWebコンサルティングでは、中小企業・小規模事業者専門で、ウェブのコンサルティングから各種サポートまでをワンストップで提供しています。今回の内容が、メールマーケティングに一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。 まとめ AI時代のメールマーケティングは、「終わるか・続くか」という二択ではなく、テクニック中心から本質中心へと役割がシフトしている段階にあります。送信側ではAIがコンテンツ作成や配信のPDCAを大きく助けてくれ、受信側ではAIによる要約や比較によって、ごまかしの利かない世界に向かっています。 その中で、私が現場で強く感じているのは次のポイントです。 メールは今後5年〜10年スパンで見ても、主力チャネルとして十分に戦える AIによって「やりやすくなる部分」と「ごまかしが効かなくなる部分」がはっきり分かれてきている サービスや商品の本質的な価値と、要約されても伝わるメール設計に舵を切ることが重要 メールマーケティングをこれから始めるにしても、すでに運用しているものを立て直すにしても、AIを「時短のための道具」としてだけでなく、「本質に集中するための環境づくり」としてどう活かすかが鍵になります。 関連リンク Validity「The State of Email 2025 from Litmus」 Nukesend「2025 AI Email Marketing Trends」 ChatGPT Atlas 公式ページ FAQ AI時代でもメールマーケティングに取り組む価値はありますか。 はい、あります。チャットツールやSNSが普及しても、特にBtoBではメールが主力チャネルであり続けています。AIによってテクニック頼みのやり方は通用しにくくなりますが、そのぶんサービスや商品の本質的な価値で勝負するメールに切り替えれば、少なくとも今後5年は十分に成果を出せるチャネルになります。 AIのメール要約が進むと、どんなメールが通用しなくなりますか。 「読ませてその気にさせる」ことを前提にしたテクニック重視のメールは、AI要約と他社比較の前では効果が落ちていきます。例えば、実態としては頻繁に実施しているのに「期間限定キャンペーン」と繰り返すような手法は、過去の配信履歴や他社情報と照らし合わせればすぐに見抜かれます。要約されても伝えたい価値が残るメールに切り替えることが重要になります。 メールマーケティングを始めるとき、まず何から取り組めばよいですか。 まずは、「どんな人に、どんな価値のある情報を、どの順番で届けるか」という設計から始める必要があります。同時に、クラウド型のメール配信ツールを導入し、件名や配信時間、ステップメールなどのPDCAをAI機能も活用しながら回せる状態を作ると効率的です。リストは購入せず、半年〜1年かけて育てていく前提で考えると、無理のない運用になります。 AIにはメール本文の作成をどこまで任せてよいですか。 ネタの元やメッセージの核になる部分は自社で持ち、具体的な文章化や構成の整理、件名やリード文の候補出しといった部分をAIに任せるのが適切です。コンテンツの元ネタまで含めて一括生成させると、中身が薄くなり、要約されたときに何も残らないメールになりやすくなります。 海外製のメール配信ツールを使うメリットはありますか。 あります。海外のメール配信ツールは、AIを活用した件名最適化や配信時間の自動調整、ステップメールの設計支援など、機能面で先行しているものが多くあります。価格面でも、日本製ツールの1〜3万円クラスから乗り換えるだけで、半分〜10分の1程度にコストを抑えられるケースもあります。最近は日本語対応も進んでいるので、まず候補に入れて検討する価値があります。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第579回:AI時代にメールマーケティングはどうなっているのか?2025年最新調査からの現状 は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。 | — | ||||||
| 11/21/25 | ![]() 第578回:ビジネスの決断のための情報探索の2つのポイント「いいところ探し」と「考えてから探す」の原則 | ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 今回は、ビジネスの決断に本当に役立つ情報にどうたどり着くかというテーマでお話しします。単に情報を「集める」のではなく、自分の判断や行動につながる形で情報を“探索する”ための考え方について整理していきます。 この記事で得られること このページを読むと、次のようなポイントが分かります。 ネガティブ情報に振り回されない「いいところ探し」の視点 ─ 世の中の事例や他社の取り組みを見るときに、ダメ出しではなく「ここはいいな」「ここだけ真似したい」を見つけていくための具体的な考え方。 「探す前に考える」ことで、質の高い情報に出会いやすくする方法 ─ なんとなく検索するのではなく、事前に「知りたいことリスト」を持った上で情報を取りにいくための簡単な習慣。 AIやニュース、SNSに触れるときに、自分の感覚を守るコツ ─ ChatGPT や Gemini を含む対話型AI(人工知能)の使い方のポイントと、他人の意見を先に見過ぎないためのちょっとした工夫。 先に結論:情報探索の3つの原則 本文では順を追ってお話ししますが、先に要点だけまとめておきます。 「いいところ探し」をする ネガティブな情報は「これはやらない」という選択肢を減らす役割にとどまりがちです。 他社事例やニュースを見たときは、まず「どこが良いか」「どこなら真似できそうか」を探し、いいと思った理由と実行までの筋道をその場でメモしておくことが大事です。 探す前に考える なんとなく情報を探すのではなく、あらかじめ「知りたいことリスト」を持った状態でニュースや情報に触れることで、「これは自分のテーマに関係ありそうだ」というポイントに気づきやすくなります。 ChatGPT や Gemini などの対話型AIを使うときも、ざっくりとした質問ではなく、自分の前提や状況を踏まえた具体的な問いにしていくことがポイントです。 まず自分の感覚で考える SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のコメントやレビューを先に見過ぎると、自分の感覚が分からなくなりがちです。 まずは自分はどう感じたのかを一度整理してから、他人の意見を「材料」として取り入れることで、自分のレーダーやアンテナを鍛えていくことができます。 情報収集ではなく「情報探索」に切り替える なぜ「情報をたくさん集めているのに決断できない」のか 情報は集めているつもりなのに、いざというときに「結局どれを選べばいいのか分からない」「行動に移せない」という感覚はないでしょうか。 私自身も、自分の情報の取り方を振り返る中で、「ここに1つ、分かりづらいけれど原因があるな」と感じるようになったポイントがあります。それが、「情報収集」と「情報探索」を混同してしまっているという点です。 「情報収集」という言葉から自然に行ってしまいがちなスタイルは、たとえば次のようなものです。 すぐに役に立ちそうなノウハウやテクニックを 大量の情報の中から「宝探し」のように見つけ出して そのまま“ポン付け”しようとする ただ、このやり方だと、たとえ「すぐ使えそうなノウハウ」が見つかったとしても、 他の人も同じ情報にたどり着いていて、優位性にならない 自分の状況と本当に合っているかどうかの判断があいまい そもそも「そのまま使えるノウハウ」自体がそんなに多くない といった問題が出てきます。 ではどうすれば、自分の判断や行動につながる形で情報を“探索”して見つけていけるのか。ここが今回のテーマです。 「情報収集」と「情報探索」の違い まず、言葉の定義をはっきりさせておきます。 概念 イメージ 情報収集 目の前にある情報の中から、使えそうなノウハウやテクニックを拾ってくるイメージ。 情報探索 先に「自分は何を知りたいのか」「どんな判断をしたいのか」を考えた上で、必要な情報を筋道立てて集め、判断や行動につなげていくプロセス。 同じニュースを読んだり、同じ本を開いたりしても、 「ただ眺める」のか、「自分の判断のために読み解く(自社ならどう応用できるかを考えながら読む)」のかで、得られるものはだいぶ変わります。 この前提を押さえたうえで、ここから「情報探索」を実践するための2つ(+1)のポイントを整理していきます。 ポイント1:情報の「いいところ探し」をする ネガティブ情報が増加しがち理由 今の世の中を見ていると、ニュースサイトにしても、SNSにしても、多くの情報がネガティブ寄りになっていると感じませんか。 分断や対立をあおるような話題や、感情的なぶつかり合いのようなやり取りの方が、どうしても注目を集めやすいからです。その結果、SNSやネットニュースの世界では、ネガティブな情報や炎上しそうな話題が拡散されやすくなり、誰かを批判したり、何かを否定する情報が目に入りやすくなっていると感じます。 当然ですが、経営やビジネスの判断に使う情報としては、これだけではどうしようもありません。むしろ時間の無駄になることさえあります。 ネガティブな情報は、「これはやってはいけない」という選択肢を減らす役割にはなりますが、「では何をやるのか」というストレートな行動にはつながりにくいことが多いからです。 ネガティブ情報は「選択肢を減らす」役割にとどまりやすい 例えば、100個の選択肢があるとします。ネガティブな情報は、 「この2つは危ないからやめておこう」「このパターンだけは避けよう」 といった形で、せいぜい1〜2個の選択肢を消す役割を果たしてくれるんです。もちろん、それにも意味はありますし、重要な役割です。 ただ、100個あった選択肢が98個になっただけでは、次に踏み出す一歩はまだ見えてきません。そこで意識したいのが、「いいところ探し」です。 「ここはいいよね」を意識的に探す 他社の事例やニュース、誰かの意見を見たときに、最初から粗探しをしない。これがとても重要です。 具体的には、次のような視点で見ていきます。 「いろいろあるけれど、ここはいいな」 「この決断はすごいな」 「この部分だけなら、うちでも真似できるかもしれない」 どんな情報であっても、大なり小なり、 ここでこういう決断をしたのはすごい この場面でこうやって人を動かしているのは参考になる この一部分だけ切り出せば、うちでも試せそう といったポイントが、どこかに潜んでいることが多いです。 そこを意識的に拾っていくと、「やってはいけないこと」を知るだけでなく、「やってみてもいいこと」の候補が増えていきます。 そしてこの「やってみてもいいこと」は、ネガティブ情報のように「無数の選択肢の中からいくつか選択肢を消すだけ」ではありません。 「これをやってみよう」というダイレクトな行動に直結しやすい情報です。ポジティブに選んだ情報ほど、行動に結び付きやすいと考えています。 1. その場で言語化しておく ここで1つ注意点があります。「なんとなくいいな」と思っただけでは、時間が経つとその感覚を忘れてしまうことが多いです。 そこでおすすめなのが、次のような「考えの筋道」を、その場で軽くメモしておくことです。 なぜ自分はそれを「いい」と感じたのか どこが魅力的に映ったのか どんな場面でなら自社でも試せそうだと思ったのか ポイントは、完璧な分析をする必要はまったくないということです。 「多分こういう理由でいいと思ったんだろうな」という程度で構いません。 あとから見返したときに、自分の頭の中でどういう連想が起きていたのか、どの順番で「これやってみようかな」という気持ちになったのかが分かるくらいで十分です。 2. 「自分のやりやすい形」でメモを取る このときのメモ方法は、本当に何でも大丈夫です。 スマホのメモ帳に、思いついたことを打ち込む 紙のノートに、殴り書きで箇条書きしておく 移動中などは、音声で録音しておく 私自身は、打てる状況ならメモ帳に打ち込み、難しいときは音声で録音しておいて、あとから生成AIにまとめてもらうことが多いです。 昔は「音声を録ったあとに、もう一度聞き返して、自分で書き起こす」のが大変でしたが、今は ChatGPT や Gemini などの対話型AIに読み込ませれば、要約や整理を任せることができます。 音声で話すと、自分でも意外だった考えや感情が、そのまま言葉として出てくることがあります。頭の中を丸ごと取り出しておける感覚があって、メモとしてはとても相性が良いと感じています。 3. 「その場で考える」と実行につながりやすい もう1つ大事なのは、いいと思ったその場で、実行までの筋道をざっくり考えておくことです。 「あとで時間があるときに考えよう」とメモだけ残しても、そのときの感情や熱量は薄れてしまい、結局手を付けないまま終わってしまうことも多いからです。 「いいところ探し」をしながら、その場で、 自社ならどこを真似できるか 最初の一歩をどこに置くか 誰を巻き込めば動き出せそうか といったことを軽く考えて、理由と合わせて記録しておく。これだけでも、情報を「読んで終わり」から、「読んで動く」状態に近づけていくことができます。 ポイント2:探す前に「何を知りたいか」を考える 「なんとなく探し」では良い情報に出会いにくい 次のポイントは、情報を探す前に、何を知りたいのか先に考えておくということです。よく「仮説と検証」と言われますが、その情報バージョンのようなイメージです。 「何かいい情報ないかな」「これに役立ちそうなものないかな」と、ふわっとした気持ちのまま情報を探していると、なかなか良い情報に出会えません。 人間のアンテナには限界があるので、全方位に広げたままだと、本当に必要なものをキャッチしにくくなります。いわば「無指向性」よりも、「このテーマを中心に見ていく」と指向性を持たせた方が良いのです。 「知りたいことリスト」をつくっておく そこでおすすめなのが、自分の「知りたいことリスト」をつくっておくことです。難しいものではなく、 今、事業で気になっていること 近いうちに決めないといけないテーマ いつか深掘りしたいと感じている論点 といったものを、思いつくままメモに書き出しておくイメージです。 そして、それを毎朝さっと眺めるくらいで構いません。全部を覚えておく必要はありませんが、「自分は今こういうことを知りたがっている」という情報が、潜在意識の方に入っていきます。 すると、ニュースを読んだり、人と話したりしているときに、「あれ、これはあのテーマに関係あるかもしれない」「この事例は、あの悩みに引っかかるな」といった形で、自然と「ピコーン」と反応しやすくなっていきます。 毎回、「この情報は自分のどのリスト項目に当てはまるか」を頭の中で照合するのは現実的ではありませんが、事前に方向性を決めておくことで、感度が上がるイメージです。 ニュースを見るときの「問い」の持ち方 例えば、ある会社のニュースを見たとき、事前に「知りたいことリスト」が意識されていると、次のような問いが自然と出てきます。 「なぜこの会社はこの対応を選んだんだろう」 「この結果になる前の段階では、どんな意思決定があったんだろう」 「この立場の人は、このときどう感じていたんだろう」 ここから先は、自分の「思考の鎖」をつなげていく作業です。 対話型AIに「思考の鎖」を乗せて質問する 最近であれば、ChatGPT や Gemini のような対話型AIに対して、 「このニュースのこの部分について、似たような事例はないか」「この決断に至るまでに、どんな選択肢や背景があり得るか」 といった形で質問を投げ、引用付きの情報を出させることで、関連情報を広げていくこともできます。 重要なのは、最初の問いがふわっとしていないことです。 「うちにとって一番いい施策を教えて」といった、条件も前提もないオープンクエスチョンだけだと、どうしても精度の低い回答になりがちです。 「この条件で」「今こういう状況で」「こういうことを実現したい」という形で、自分の思考の鎖を1つずつつなげながら質問していくことが、AIを使う上でもポイントになります。 対話型AIを使うときの前提と注意点 対話型AIを情報探索に使うときは、いくつか前提を持っておくと安心です。 引用付きの情報を優先する ─ 何かを事実として扱うときは、出典がきちんと示されている情報を重視する。 推論と事実を分けて読む ─ AIが推測して話している部分と、実際の引用情報の部分を意識的に分けて確認する。 重要なところは公式情報でダブルチェックする ─ 特にお金や法務に関わる部分は、最終的には公式サイトなどで確認する。 料金体系やプラン名などはどんどん変わっていきますが、現時点での私の経験では、上位モデルが使える有料プランの方が、精度や安定性が高いと感じています。実際、上位モデルを使うと、情報の拾い方もだいぶ変わってくる印象があります。 AI以外の情報源も「知りたいこと」から逆算する 対話型AIを使わない場合でも、 「このテーマなら、あの雑誌や専門書を読んでみよう」「この分野なら、社内の誰々が詳しそうだから聞いてみよう」 というように、「知りたいこと」から逆算して、情報源や相談相手を選んでいく感覚が大切です。 「とりあえず情報を入れ続ける」のではなく、 考える → 情報を得る → また考える → 必要なら誰かに聞く というサイクルを回していくと、得られる情報の質も、自分の考えの整理のされ方も、大きく変わってきます。 ポイント3:まずは自分の感覚で考える SNSやレビューを「先に」見ないようにすべき理由 もう一つ、情報探索という意味で非常に大事だと感じているのが、「先に他人の意見を見過ぎない」ということです。 今のSNSやニュースサイトは、ある意見に対して他の人がどう反応したかがすぐ見えますし、コメント欄や引用ポストの雰囲気に引きずられやすい構造になっています。 それ自体が悪いわけではありません。ただ、最初から他人の反応ばかり見てしまうと、自分の感覚を信じにくくなってしまうことがある。この点はとても重要だと感じています。 これは情報に限らず、例えば映画や漫画、その他の娯楽も同じです。レビューや評価を先に見てしまうと、それに引きずられてしまい、素直に楽しめなくなることがありますよね。 自分の「レーダー」「アンテナ」を鍛える 自分のレーダーやアンテナを鍛えるには、「まず自分でどう感じたか」を大事にする必要があります。情報探索という意味で見ると、ここは避けて通れません。 他人の評価や点数を先に見てしまうのは、極端に言えば、外から聞こえてくる声をただ眺めているだけの状態になりがちです。それは「情報を集めている」というより、ただ流れてくるものを浴びているだけとも言えます。 そうではなく、まずは、 自分はこの情報をどう感じたか どこが良いと思って、どこに違和感を覚えたのか を一度自分で考えてから、後から他人の意見を見に行く。 そうすると、 自分とは全然違う考え方があると分かる 自分の考えをより深くしてくれる、別の視点に出会える といった形で、他人の意見を「材料」として取り入れやすくなります。どちらが優れているかという話ではなく、自分の考えを持った上で比較するのが大切だと感じています。 ビジネスとメンタルを守るための「いいところ探し」 分断・煽り情報に触れ続けるリスク 改めて、「いいところ探し」にはもう一つ重要な側面があります。それは、自分の心を守るということです。 ページビューやインプレッションを集めても、昔ほど広告収入にならない状況もあって、どうしても、 対立や分断を煽るコンテンツ 誰かを攻撃することで注目を集める投稿 のような情報が増えがちです。 そういった情報ばかり見続けていると、心が荒れてしまったり、他人を攻撃することでストレスを発散しようとしてしまったりする方向に近づいていきます。これは、自分がされたくないことを、他人に対してやっている状態でもありますし、最終的には誰も得をしません。 「世界にも良いものはたくさんある」と実感する 一方で、「いいところ探し」を意識していると、ニュースや事例、誰かの取り組みを見たときに、 「この決断はすごいな」 「こういう工夫をしているのは素敵だな」 「この部分だけでも、うちで真似してみたいな」 というように、世の中にある「良いもの」「良い動き」が目に入りやすくなります。これは、精神衛生の面でもとても大きいと感じています。 特に、今のように事業環境が厳しく、 資金繰りが苦しい 人手不足が続いている 倒産件数も増えているという話を、商工会などから耳にする といった状況の中では、経営者自身が倒れてしまうとどうしようもなくなるという現実があります。だからこそ、自分の心を守る意味でも、「いいところ探し」は非常に大事だと感じています。 ここまでのまとめ:情報探索の2つ(+1つ)の原則 ここまでお話ししてきた内容を、改めて整理すると次の通りです。 いいところ探しをする ─ ネガティブな情報は「選択肢を減らす」役割にとどまることが多い。 ─ 他社の事例やニュースを見たときは、まず「どこを真似できるか」「どこが良いか」を探す。 ─ いいと思ったら、その理由と実行までの筋道を、その場で簡単にメモしておく。 探す前に考える ─ なんとなく情報を探すのではなく、「知りたいことリスト」を持っておく。 ─ そのリストを意識しながらニュースや情報に触れると、「ここが気になる」というポイントに気づきやすくなる。 ─ ChatGPT や Gemini などの対話型AIを使うときも、ざっくりした質問ではなく、自分の思考の鎖を乗せていく。 まず自分の感覚で考える ─ 先に他人の意見やレビューを見過ぎない。 ─ 自分はどう感じたかを一度整理してから、他人の意見を「材料」として取り入れる。 ─ そうすることで、自分のレーダーやアンテナがだんだん鍛えられていく。 この3つを意識するだけで、同じ情報に触れていても、得られるものがかなり変わってくるはずです。 「いろいろ読んだり調べたりしているのに、行動に結びつきにくい」と感じている場合は、まず1つ目の「いいところ探し」から試してみていただくのがおすすめです。 ショート動画配信と、ご質問の送り先について 最後に少しだけお知らせです。 ポッドキャストとは別に、YouTube ショートや Instagram、TikTokなどでも、2〜3分の短い音声・動画を配信しています。 だいたい週に1〜2回、まとめて何本か撮影して、そのまま編集して出しているので、自分でも「千本ノックを受けているような感覚」で、少し疲れるのですが、できるだけ続けています。 朝のちょっとした時間に、さっと聞き流すだけでも、また違った気づきがあるかもしれません。どのプラットフォームでも構いませんので、ふと思い出したときに覗いていただけたら嬉しいです。 また、ご質問やお悩みがあれば、匿名でも構いませんので、ラウンドナップWebコンサルティングのお問い合わせフォームから送っていただければと思います。ポッドキャストや各種コンテンツの中で、できる限り丁寧にお答えしていきます。 関連リンク OpenAI 公式サイト(ChatGPT など) Google Gemini 公式サイト 中小企業庁 経営サポート(公式) こころの健康・メンタルヘルス(厚生労働省 公式) よくある質問(FAQ) Q1. 「情報収集」と「情報探索」は、何が違うのですか? 「情報収集」は、目の前にある情報の中から、使えそうなノウハウやテクニックを拾ってくるイメージです。 一方で「情報探索」は、先に「自分は何を知りたいのか」「どんな判断をしたいのか」を考えた上で、必要な情報を筋道立てて集め、判断や行動につなげるプロセスを指しています。 Q2. ネガティブな情報はビジネスに役立たないのでしょうか? ネガティブな情報にも意味はあり、「これはやってはいけない」という注意喚起として、選択肢を減らす役割を果たします。 ただし、それだけでは「では何をやるのか」という前向きな決断にはつながりにくいため、同時に「いいところ探し」をして、実行候補になる前向きな情報も集めていくことが大事だと考えています。 Q3. 「いいところ探し」は具体的にどうやれば良いですか? 他社事例やニュース、誰かの意見を見たときに、まず粗探しをするのではなく、「ここはいいな」「この部分だけなら真似できそうだな」という点を意識的に探します。 そして、なぜそう感じたのか、どんな場面なら自社で試せそうかを、その場で簡単にメモしておくと、あとから実行に移しやすくなります。 Q4. 情報を探す前に「考える」とは、具体的に何をすれば良いですか? まず、今の自分や自社が「何を知りたいのか」をリストアップしておきます。 そのリストを毎朝さっと眺めておくだけでも、ニュースや本、人との会話の中で、「これはあのテーマに関係ありそうだ」と自然に反応しやすくなります。 その上で、必要な情報源や相談相手を選んでいくと、質の高い情報に出会いやすくなります。 Q5. 生成AI(ChatGPT や Gemini など)を情報探索に使うときの注意点はありますか? ざっくりしたオープンクエスチョンだけを投げるのではなく、「こういう状況で」「こういうことを知りたい」という前提を伝えながら質問を重ねていくことが大切です。 また、引用付きの情報を優先し、AIが推論している部分と事実の部分を分けて読むこと、重要な内容は公式情報でダブルチェックすることも意識しておくと安心です。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第578回:ビジネスの決断のための情報探索の2つのポイント「いいところ探し」と「考えてから探す」の原則 は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。 | — | ||||||
| 11/7/25 | ![]() 第577回:中小企業がWebのパートナー選びでトラブルを避ける実務ポイント | 画像で内容のまとめ ポッドキャスト書き起こし 良いマーケティングエージェンシーを選ぶためのチェックポイント 今回は、Xのポストでも少し引用したのですが、マーケティングエージェンシーを選ぶ際に押さえておきたいポイントについてお話しします。これはウェブ広告に限らず、サイト制作やコンサルティングなど、皆さんのパートナーとなる会社を選ぶ際にも役立つ内容です。 こういったテーマは、どうしても業界ごとのポジショントークになりがちです。その業界で長く仕事をしていると、自然と特定の切り口で物事を見てしまいますし、商売としてそう発言せざるを得ない側面もあるでしょう。 私もなるべくポジショントークにならないよう心がけていますが、普段から中小企業の「現場主義」を掲げてコンサルティングを行っているため、どうしてもその視点が強くなる点はご容赦ください。 今回この話題を取り上げようと思ったのは、海外の中小企業向けマーケティング会社のCEOが書いた記事を読み、「なるほど、これは皆さんにシェアしたい」と感じたからです。その記事で挙げられていた項目を引用しつつ、私自身の経験や知見を交えて解説していきます。 今回の内容を聞いていただくことで、現在パートナーを探している方は、選定時の質問や検討の材料になるでしょう。また、すでに付き合いのある会社がいる方は、改めて関係性を見直すことで成果が出やすくなったり、今後の付き合い方を考える目安になったりするはずです。皆さんにとってより良い関係性を築くきっかけとして、今回のチェックポイントを活用していただければと思います。 海外の失敗事例から学ぶ、エージェンシー選びの重要性 今回ご紹介するのは、『Duct Tape Marketing』という会社のCEO、サラ・ネイ氏が書いた「Questions to ask before hiring a marketing agency」という記事です。 元記事はリンクを載せておきますので、ぜひGoogle翻訳などを使って読んでみてください。より中立的な視点が得られるかと思います。 10 Questions to Ask Before Hiring a Marketing Agency or fCMO https://ducttapemarketing.com/questions-to-ask-before-hire-a-marketing-agency/ 記事では、2つの極端な失敗例が挙げられています。 1. 内容を理解しないまま、高額なSEOサービスを3年契約してしまった 一つは、いわゆる「丸投げ」状態で、月8,000ドル(約120万円)のSEOサービスを3年契約で縛られてしまったケースです。成果については書かれていませんが、失敗例として挙げられている以上、おそらく出ていなかったのでしょう。月額120万円は、コンテンツ制作費を含んでいるかは不明ですが、中小企業から中堅企業にとってかなりの投資額です。 2. 広告アカウントの所有権がなく、トラブルになった もう一つは、月1万ドル(約150万円)をかけてGoogle広告を運用していたものの、広告アカウントの所有権が自社になかったために、トラブルに発展したケースです。 これらの事例は、導入を分かりやすくするためのものかもしれませんが、金額の大小はあれど、実際に起こりがちな生々しい話でもあります。特にSNS関連では、もっとドロドロした話も耳にします。 今回は誰かを批判することが目的ではありませんので、早速チェックすべきポイントについて見ていきましょう。 契約前に確認すべき7つの重要ポイント 1. 広告アカウントやデータの所有権は自社にあるか? 最初に出てくるのが、広告アカウントや解析ツールのアカウント、データの所有権を自社で持てるかという点です。 これは日本のまともな代理店であれば、口酸っぱく言っていることなので、常識になりつつあるとは思います。お客様自身でアカウントを作成してもらうか、代理店が作成して譲渡するなど、お客様がいつでも管理画面を見られるようにするのが一般的です。しかし、地方などでは「管理画面はお見せできません」という代理店がまだ存在するという話も聞きます。 確認すべき質問 「契約が終了した際、広告や解析ツールをスムーズに自社で引き継ぎ、管理・運用できますか?」 「広告費用やコンバージョン数など、管理画面で確認できるデータを、いつでも私たち自身が見られる状態にしてもらえますか?」 もし代理店から「自社のアカウント内で運用しているので切り離せません」といった説明を受けた場合は、本当に注意してください。 元データにアクセスできず、代理店が作成したレポート経由でしか数字を見られない状況は非常に危険です。まず、そうした古いやり方をしている会社であること自体がリスクですし、パートナーとして対等な関係を築く意識が低い可能性があります。 データは会社の生命線です。お互いがいつでもデータを見て、それに基づき意見交換をしながら改善を進めていくのが本来あるべき姿です。データを見せない、あるいは契約終了後にアカウントを譲渡できない会社とは、基本的に付き合わない方が良いでしょう。 また、「こちらで全部やりますから、皆さんは見なくていいですよ」といったように、クライアントを依存させようとする姿勢の会社も避けるべきです。「考え方・方向性が分からないなら教えますので、ぜひ見てください」と言ってくれる会社を選びましょう。 2. 「成功の定義」は売上に繋がっているか? 次に、「何を成功とみなすか」が明確になっているか、という点です。 ここで注意したいのは、成功の定義がアクセス数、クリック数、SNSのフォロワー数といった、ウェブ上のデジタルな数字だけで完結していないか、という点です。これらはKPI(重要業績評価指標)にはなり得ますが、必ずしも売上に直結するとは限りません。 そうした指標だけを見て、「コンバージョンが増えましたね、良かったですね」で終わってしまう会社は避けましょう。 確認すべきポイント 増えたコンバージョンの「中身」まで気にしてくれるか? 「問い合わせ内容は悪化していませんか?」「営業に繋がらない問い合わせが増えていませんか?」といった確認をしてくれるか? 施策実施後、「その後の成約率はどうでしたか?」「見込み客の熱量はどうでしたか?」といった、最終的な成果まで踏み込んでくれるか? 特に最近は問い合わせフォームへの営業メールなども多く、ツールの設定によってはコンバージョン数が実態と乖離して跳ね上がることがあります。その数字だけを見て何の疑いもなく「成功です」と報告するような代理店は危険です。 クリック数やフォロワー数が業績と明確に連動していると双方で合意できているなら話は別ですが、そうでなければ、最終的な売上まで気にしてくれるパートナーを探しましょう。可能であれば、問い合わせ内容などを共有できる関係を築くのが理想です。 3. 短絡的な施策だけでなく、大局的な戦略はあるか? 個別の戦術、例えば「新しいページを作りましょう」「広告の出稿先を増やしましょう」といった単発の提案は出てくるものの、その背景にある大きな戦略が見えない会社は避けた方が良いでしょう。 ウェブマーケティングの競争は激化・飽和しており、短期的に「これをやれば上がる」という魔法のような施策はほとんどありません。「将来的にこういう姿を目指すために、今はこれをやります」という中長期的な視点に基づいた全体像がなければ、施策は場当たり的になり、投資対効果も悪化します。 確認すべき質問 提案された施策が「何を目的として」いて、「自社をどのような姿にするために」必要なのか、その意図を尋ねる。 提案された手段(How)だけでなく、その目的(What)や理由(Why)をきちんと説明してくれる会社を選びましょう。 手段だけを提案するのは楽ですし、実行するのも簡単です。しかし、それが成果にどう繋がるかはやり方次第です。 もし定例会などで提案された内容がよく分からなければ、「よく分かりません」と正直に伝えることが大切です。その質問に対して、きちんと相手に合わせて分かりやすく説明できるのが、本当に良いパートナーです。専門家の言うことだからと萎縮せず、臆せずに質問しましょう。そこで相手の本当の実力が見えてきます。 4. 契約終了後のプロセスは明確か? どんな契約にも終わりは来ます。契約が終了した後のことを明確にしてくれる会社を選びましょう。 特に伴走支援型の契約は、終わりが見えなくなりがちです。「もっとやる余地があります」「他社がやっているから、うちもやった方がいい」と言い出せば、課題はいくらでも作り出せます。しかし、だらだらと契約を続けるのが良いわけではありません。 マーケティングは会社の利益の源泉であり、最終的には自社でコントロールできるよう自立を目指すべきです。 良い会社は、いつか自分たちが身を引くことがクライアントのためになると理解しているので、「契約が終わった際は、スムーズに引き継げるようになっています」という体制を整えています。逆に、クライアントを依存させようとする会社は、「うちを辞めるとこれができなくなりますよ」とか、「引き継ぎに時間がかかるので2ヶ月前に言ってください」といった、ソフトウェア契約のダークパターンのようなことを言ってくる場合があります。 契約終了時の条件を事前に聞くこと、そして契約書をしっかりレビューすることが重要です。契約書は、できれば法律の専門家にチェックしてもらうのが一番ですが、最低でも内容をよく確認し、安易に同意しないようにしましょう。 5. 提案者と実際の担当者は同じか? 提案や商談の際に、実際に誰が担当してくれるのかが明確になっていない会社は注意が必要です。 これは以前のポッドキャストでもお話ししましたが、「会社で選ぶより担当者で選べ」という視点が重要です。提案の場には、案件を獲得するためにスキルが高い人が出てくるのが一般的です。しかし、実際の運用は別の担当者が行うケースが少なくありません。 会社の中には優秀な人から駆け出しの人まで様々です。優秀な担当者は、当然ながら単価の高い大きな案件にアサインされがちです。 確認すべき質問 * 「この提案をしてくれたあなたが、実際に担当してくれるのですか?」 * もし担当が別の人なら、「では、その担当者にも同席してもらえますか?できれば、その方にプレゼンをしてもらえますか?」とお願いする。 「提案に来てくれた人とは馬が合ったのに、実際の担当者とは合わなかった」「レベル感が違った」ということは本当によくあります。実際に誰が担当するのかを事前に確認し、可能であれば会わせてもらえる会社に相談しましょう。 6. 社内チームと連携する姿勢はあるか? 代理店側だけで完結できることは、どんどん少なくなっています。 例えばコンテンツ制作一つとっても、昔は情報を集めて網羅的な記事を書けばある程度成果が出ましたが、今はE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が重視され、その会社ならではのオリジナリティが求められます。そのためには、社内の担当者や専門家にインタビューしたり、営業やカスタマーサポートのチームと連携したりすることが不可欠です。 良い代理店は、こうした社内連携の重要性を理解しているため、最初から「社内の〇〇部門の方ともお話しさせてください」といった形で、積極的に巻き込もうとする姿勢を見せます。 逆に、「全部うちでやりますから大丈夫ですよ」というスタンスの会社は、今後厳しくなるでしょう。皆さんと一緒になって、社内を巻き込みながらプロジェクトを進めてくれる会社を選びましょう。 7. レポートやAIの活用方針は適切か? その他、元記事で挙げられているものとして、レポートの実例や、AIと人間の役割分担についての確認があります。 レポートについて 毎月20〜30ページにも及ぶ、数字ばかりが並んだレポートを送ってくる会社がありますが、これはあまり良くありません。レポートは、皆さんが最低限の時間で現状を把握するためにあるべきです。読んでみて「ストーリーがない」「結局何を言いたいのか分からない」と感じるレポートは、良いレポートとは言えません。 本来、レポートには「現状の数字からこういうことが言える→だから、次はこのように改善すべきだ→具体的にはこの施策を実行する」というストーリーがあるはずです。定型的なツールから出力しただけのレポートではなく、そうしたストーリーが見えるレポートを提出してくれるか、実例を見せてもらうと良いでしょう。 AIの活用について 「どこでAIを使っていますか?」と聞くことも、今の時代は重要です。広告クリエイティブやコンテンツ作成など、AIは様々な場面で活用されますが、そのリスクや適切な使い方を理解しているかは確認すべきです。私たちもAIを使う際は、リスクヘッジのためにも必ずその旨を伝えるようにしています。誠実な会社であれば、AIの活用方針についてきちんと説明してくれるはずです。 まとめ:良いパートナー選びの最終チェック チェックリストの再確認 これまでお話ししてきたポイントをまとめます。 アカウントとデータの所有権:データは自社の所有物としていつでも閲覧・移行できるか。 成功の定義:最終的な売上など、自社の事業目標に繋がる形で設定されているか。 戦略の有無:単発の戦術ではなく、大きな戦略に基づいた提案か。 契約終了時の対応:契約をだらだら引き延ばさず、スムーズに終われる体制か。 実際の担当者:事前に担当者が誰か分かり、その人物と話せるか。 社内連携の姿勢:自社の他部署も巻き込んで進める意識があるか。 AIの活用方針:AIを使っていることを明示し、適切に活用しているか。 これらの点は、提案書をもとに確認したり、分からないことは「なぜですか?」と質問したりすることで見極めることができます。意地悪ではなく、お互いの認識を合わせるために、納得できるまで確認し続けることが大切です。 最も大切なのは「卒業を応援してくれる」姿勢 もし端的に一つだけ挙げるとすれば、「クライアントの卒業を応援してくれる会社」が良いパートナーだと思います。 そうした会社は、皆さんの会社の成長を第一に考えてくれるんです。だからこそ、データをきちんと見せてくれますし、契約の終わり際もクリーンです。そして、皆さんが自立できるよう、しっかりと成果を残そうと努力してくれるんです。 もちろん「卒業」といっても、関係が完全に切れるわけではありません。私たちの場合も、プロジェクトが一段落した後に、定額の相談プランのような形で関係を続けるケースが多くあります。一度築いた関係性の上で、新たな課題が出てきたらまた協力する。そうした「入学と卒業を繰り返す」ような関係が理想的です。 年末に向けて、来期のパートナーを検討し始める時期かと思います。ぜひ今回の内容を参考にしていただければ幸いです。 それでは、今回も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。 中小企業、小規模事業者を中心にウェブの活用支援と実行サポートを行っております、株式会社ラウンドナップの代表取締役、中山がお送りいたしました。また次回もよろしくお願いいたします。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 広告や解析のアカウントは誰が所有すべき? 基本は自社所有。契約終了後も自社で閲覧・管理できる形にして、代理店側の統合アカウントに依存しないよう確認します。 成功の定義はどう決める? 表示回数やフォロワー数だけでなく、問い合わせ内容や受注など売上につながる指標まで含め、双方で合意します。 単発施策と全体設計、どちらを優先? 単発施策は状況依存。まず中期的な全体設計を共有し、その上で手段を選びます。 契約終了時は何を確認する? アカウント引き継ぎ、権限、データの移行、通知期限など。卒業を前提にスムーズに終われる条件を契約で明確化します。 担当者体制はどう見極める? 提案時の人が実運用も担当するかを確認。可能なら実担当を同席させ、説明のわかりやすさも見ます。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第577回:中小企業がWebのパートナー選びでトラブルを避ける実務ポイント は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。 | — | ||||||
| 11/5/25 | ![]() 第576回:Webマーケで対話型AIからより良い回答を得るコツをAIの仕組みから考える | ChatGPTでがっかりした経験はありませんか? 今回は、対話型AI、特ChatGPTやGeminiについて、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。 ChatGPTのような文章生成AIを使った際に、「なかなか満足のいく回答が得られない」「思ったような品質にならない」と感じた経験はないでしょうか。 一度は軽い絶望感や、がっかりした気持ちを味わった方も多いかもしれません。その結果、「やっぱりまだ実用的ではないな」と感じ、使うのをやめてしまった方もいるのではないでしょうか。 このようなことが起こる大きな理由の一つは、私たちが対話型AIの「得意なこと」をきちんと把握していないからかもしれません。今回の内容を読んでいただくことで、ChatGPTやGeminiなどから、より質の高い、実用的な回答を引き出すヒントが得られるはずです。 そのためには、まずAIがどのようにして文章を生成しているのか、その仕組みを少しだけ知っておくことが近道になります。そこで本記事では、まずAIの仕組みを分かりやすさを優先して解説し、その上で「なぜ思った通りの回答が返ってこないのか」「どうすれば質の高い回答を引き出せるのか」について、具体的なポイントを解説していきます。 AIが苦手な「オープンクエスチョン」と得意な「条件付け」 生成AIから満足のいく回答を引き出せない方の使い方を見ていると、ある共通点に気づきます。それは、「オープンクエスチョン」をしてしまっているケースが非常に多いということです。 例えば、以下のような質問です。 「最高の〇〇を考えてください」 「我が社にとってベストで、他にないようなものを作ってください」 「最高の提案をしてください」 実は、AIはこのような漠然とした質問がとても苦手です。その理由は後ほどAIの仕組みの部分で詳しく説明しますが、まずはこの点を覚えておいてください。 では、逆にAIは何が得意なのでしょうか。それは、条件や関連情報を適切に与え、方向性を定めた上で、ゴールまでの道筋を模索させることです。つまり、入り口と出口がはっきりしている課題解決を得意としています。 「問いを立てる能力」の本当の意味 よく「AIを使いこなすには、問いを立てる能力が重要だ」と言われます。「問いを立てる能力」と聞くと、優れた質問をする力のように思われがちですが、本質は少し違います。これはむしろ、適切な「初期の条件付け」を行い、「どうなってほしいか」というAIにとってのゴールを明確に設計し、指示する能力だと捉えると、より具体的になります。 もちろん、考える過程をAIに手伝ってもらうことは有効ですが、すべてを丸投げして「とりあえず売上を上げるために一番やるべきことを教えて」のように質問すると、たいていは漠然とした、どこかで聞いたことがあるような一般的な内容が返ってくるだけです。 AIを使いこなすとは「丸投げ」ではない 「AI」と聞くと、どうしても「丸投げで答えを出してくれる魔法の道具」というイメージがあるかもしれません。しかし、本当にAIを使いこなす能力とは、丸投げする能力ではなく、AIが最も得意なことを、得意なやり方でやらせてあげる能力です。 これが上手な人は、AIから単なる情報ではなく、実際の現場で本当に役立つ質の高いアウトプットを引き出すことができます。 なぜAIは平凡な回答しかできないのか?その仕組みを解説 では、なぜオープンクエスチョンではありきたりな答えしか返ってこないのでしょうか。その理由を理解するために、ChatGPTのような対話型AIが文章を生み出す仕組みを簡単に見ていきましょう。 文章生成の心臓部「自己回帰型トランスフォーマー(Transformer)」 少し専門的な言葉になりますが、ChatGPTなどは「自己回帰型トランスフォーマー(Transformer)」という技術がベースになっています。これは以下のような仕組みで動いています。 トランスフォーマー(Transformer) 単語を、様々な特徴を持つパラメータの集合体(ベクトル)に変換する仕組みです。ゲームのキャラクターに「素早さ」「力」「特殊能力」といった多数のパラメータがあるように、一つの単語を多くの側面から数値化して捉えます。 自己回帰型 直前の文脈(一つ前や二つ前の文章)を踏まえて、「次にどの単語が来ると最も自然か」を予測し、言葉を紡ぎ出していく仕組みです。 つまり、AIは与えられた文脈や情報に基づいて、最も適切と思われる単語を確率的に繋ぎ合わせることで、文章を生成しているのです。 AIは「既存の知識のつながり」から答えを見つける AIが単語を選ぶ際の根拠となるのは、「モデル」と呼ばれる膨大な知識データベースです。このモデルは、インターネット上のテキストなどを事前に学習(プリトレーニング)して作られた、いわばAIの脳みそです。AIの回答は、すべてこのモデルの中にある知識や単語同士のつながりが元になっています。 ここで重要なのは、AIはすでにある言葉と言葉の結びつきや、既存の概念を元にして答えを生成するという点です。「最高の提案」のようなオープンクエスチョンを投げかけると、なぜ平凡な答えが返ってくるのか。それは、特に条件が指定されていなければ、AIは世の中で「最高の提案」という言葉と一緒によく使われる、ごく一般的な単語の組み合わせを提示するしかないからです。「よくある質問」には「よくある答え」が返ってくるのは、ある意味で当然なのです。 「今までにないもの」が生まれない理由 「他社がやっていないこと」や「今までにないアイデア」を求めても、期待外れの結果に終わることが多いのも、この仕組みを考えれば理解できます。 「どこにもないもの」とは、言い換えれば「まだ言葉と言葉が結びついていないもの」です。AIは既存のデータのつながりを元に回答を生成するため、そもそもデータの中に存在しない、あるいは関連性が極めて薄い組み合わせを自発的に生み出すことは原理的に非常に困難です。 誰も思いつかないような突飛なアイデアは、AIのデータベース(モデル)の中では単語同士の関連性がないため、そもそも選択肢に上がってきません。このAIの基本原理を理解しておくことが、うまく付き合っていくための第一歩です。 AIから質の高い回答を引き出す3つのポイント では、どうすればAIの能力を最大限に引き出せるのでしょうか。それは、AIが苦手なことをさせるのではなく、得意な土俵で仕事をさせることです。具体的には、以下の3つのポイントが重要になります。 ポイント1:具体的な「条件付け」で考える範囲を絞る まず最も重要なのが、人間がAIのために適切な条件を与えることです。漠然と問いかけるのではなく、以下のよう考えるべき範囲を具体的に絞り込んであげましょう。 目的:何を得たいのか、何を実現したいのか、誰にどんな結果をもたらしたいのか。 制限・境界条件:予算の上限、使えるリソース(人員、時間)、関連する法律や規制、競合が強い領域など。 ここで欲張って条件を緩くするよりは、むしろ現実的な制約をできるだけ多く与える方が、AIは質の高い回答を出しやすくなります。絞り込みすぎたと感じたら、そこから一つずつ条件を緩めていく、というアプローチがおすすめです。これは、人間に仕事を依頼する時と同じだと考えると分かりやすいでしょう。 ポイント2:「うまくいった例」をデータとして蓄積する AIに良いヒントを与えるために、成功事例や参考情報をデータとして蓄積していくことも非常に効果的です。これは社内のナレッジとしても財産になります。 社内の成功事例:過去にAIを使って良い回答が得られた質問(プロンプト)と、その回答をセットで保存しておきましょう。Googleフォームやスプレッドシートのような簡単な仕組みで十分です。 外部の参考情報:他社の事例や業界の動向、新しい組み合わせで成功した商品のニュースなど、参考になりそうな情報をテキスト形式でまとめておき、AIに読み込ませられるように準備します。 こうした「うまくいった例」をAIにインプットすることで、AIは「こういう観点で言葉のつながりを探せば、良い答えにたどり着きそうだ」というヒントを得ることができ、回答の精度が格段に向上します。 ポイント3:「探索」と「深掘り」のフェーズを分ける 一つの質問で、アイデア出しからプランニングまですべてを一度にやらせようとすると、AIの回答は散漫になりがちです。思考のプロセスをフェーズ分けすることをおすすめします。 探索フェーズ:まず、アイデアの種を見つけるために、あえてオープンクエスチョンを使い、幅広く情報を集めます。ここで出てきた回答はあくまでたたき台と捉え、人間が吟味し、方向性を絞り込みます。 深掘りフェーズ:探索フェーズで得られたいくつかの候補を元に、「ポイント1」で挙げたような具体的な条件付けを行い、実現可能性や具体的なプランニングをAIに考えさせます。 このように、アイデアを広げる「探索」の段階と、一つのアイデアを具体化する「深掘り」の段階を明確に分けることで、思考が整理され、最終的なアウトプットの質も高まります。 まとめ:AIとの上手な付き合い方 これまで見てきたように、AIから期待通りの回答が得られないと感じていた方は、無意識にAIの苦手なことをさせていたのかもしれません。自分の質問がオープンクエスチョンになっていないか、あるいは条件付けが非現実的でないか、一度見直してみてください。 人間とAIの役割分担を考える AIは決して万能ではありません。少なくとも今のところは、得意な分野と苦手な分野がはっきりと存在します。AIを使いこなすとは、その特性を理解し、人間がやるべき「条件設定」や「最終判断」と、AIが得意な「膨大な情報の中から最適な組み合わせを見つける」作業をうまく分担することです。 この役割分担を意識するだけで、これまでのAIとの関わり方が変わり、仕事の進め方やアウトプットの質が大きく向上する可能性があります。 AIの仕組みを学ぶことが、一歩先を行くカギになる 今回お話しした「自己回帰型トランスフォーマー(Transformer)」のようなAIの裏側の仕組みは、少し難しく感じるかもしれません。機械学習などの専門用語に抵抗を感じるのも自然なことです。 しかし、こうした基礎知識は、AIをよりうまく使うための大きな助けになります。実際に現場を見ていても、やはりAIを最も使いこなしているのは、その仕組みを理解しているエンジニアの方々だと感じます。簡単な書籍や検定などを通じて基礎知識を得ておくことは、今後大きなアドバンテージになるでしょう。 今回の内容が、皆さんとAIとの付き合い方を見直すきっかけになれば幸いです。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 対話型AIを使っても良い回答が出ないのはなぜ? 質問がオープンすぎて、対話型AIが既存の情報からありきたりな回答を出してしまうからです。 対話型AIが得意な質問方法とは? 具体的で明確な条件を設定し、対話型AIが探索しやすい状況を作ることです。 対話型AIはゼロから新しいアイデアを生み出せるの? いいえ、対話型AIは基本的に既存情報の組み合わせで回答を作るため、完全に新しい発想は苦手です。 どうやって対話型AIに良い回答を出させるの? 成功事例や明確な目的、制限などの条件をしっかり伝えることが重要です。 対話型AI活用で結果が出ない時の改善方法は? 質問方法や条件設定を見直し、より具体的で絞り込んだ質問をすることです。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第576回:Webマーケで対話型AIからより良い回答を得るコツをAIの仕組みから考える は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。 | — | ||||||
| 10/24/25 | ![]() 第575回:Google Analytics MCPサーバーは初心者は避けるべき理由と、そもそもの「ツールの選び方」とは | 話題のGoogleアナリティクスMCP、入門者・初心者には推奨できません。その理由と、自社に合ったWeb分析ツールの見極め方をビジネス目線で解説します。 | — | ||||||
| 10/16/25 | ![]() 第574回:中小企業の不安を無くし、良い回答を得るための「生成AIの必須設定」 | なぜ今、生成AIの「正しい使い方」を知るべきなのか 「ChatGPTを試してみたけれど、思ったような答えが返ってこない」「ハルシネーション(AIが嘘をつくこと)が怖くて、結局使わなくなってしまった」こうした経験はありませんか。特に、ChatGPTが話題になり始めた頃に一度触ってみて、その印象が更新されないままになっている方も多いのではないでしょうか。 しかし、人手不足が深刻化する現代において、AIを活用した生産性向上は、もはや避けては通れない経営課題です。現場で体を動かす仕事は人に頼るしかありませんが、それ以外の多くの業務はAIによって効率化できる可能性があります。今回は、ウェブマーケティングという分野に限定せず、すべてのビジネスパーソンが今日から実践できる、生成AIとの正しい付き合い方について、私の試行錯誤から得た知見を余すところなくお伝えします。 まず押さえるべき、生成AI活用の2つの大前提 AIツールを使いこなす上で、まず共有しておきたい大切な前提が2つあります。ここを誤解してしまうと、「AIは使えない」という結論に至りがちなので、しっかりと確認していきましょう。 前提1:有料プランへの投資を惜しまない 多くの生成AIツールには無料プランがありますが、ビジネスで本格的に活用するなら、有料プラン(ChatGPTの場合は月額3,000円程度の「Plusプラン」など)の利用を強く推奨します。このコストを惜しんではいけません。企業であれば、福利厚生の一環として導入するのも一つの手です。 なぜなら、有料プランにはコストを上回る明確なメリットがあるからです。 回答速度の向上:何より、遅いのは一番のストレスです。思考が中断されず、スムーズな対話が可能になります。 上位モデルの利用:より高精度で賢いAIモデルが使えるため、回答の質が格段に向上します。 便利な機能の解放:後述する「カスタム指示」の高度な設定や、定型作業を自動化する「GPTs」など、業務効率を飛躍的に高める機能が利用可能になります。 この投資は、必ず元が取れると断言できます。まずは使い倒そうと考えている方だけでも、有料プランから始めてみてください。 前提2:AIは「20→80」を担うパートナーと心得る 次に重要なのが、AIへの「期待値の調整」です。物事を0から100までのプロセスで考えたとき、AIが最も得意とするのは、20から80までの部分、つまり「ある程度の方向性が見えているものを、具体的な形に仕上げていく」作業です。 逆に、0から20の「全く新しいアイデアを生み出す」部分や、80から100の「個別の状況に合わせて細部を詰める」部分は、人間の深い洞察力や経験が必要であり、AIはあまり得意ではありません。「〇〇業界で、集客できる新たなプランを10個考えて」といった漠然とした指示では、AIは一般的な当たり障りのない回答しかできません。これはAIの能力が低いのではなく、問いの立て方、つまりAIへの依頼の仕方が適切でないのです。 AIはあくまで、人間の思考を加速させる「掛け算」のツールです。まずは人間が「叩き台」となるアイデアや方向性を用意し、それをAIに渡して磨き上げてもらう、という付き合い方を意識しましょう。 ChatGPTをビジネス仕様に育てる具体的な設定方法 ここからは、ChatGPTをより強力なビジネスパートナーにするための具体的な設定について解説します。これらの設定は、一度行っておくだけで、その後のAIとの対話の質を大きく向上させます。(ChatGPTを前提に話しますが、Geminiなど他のツールでも基本的な考え方は同じです) カスタム指示:AIを「従順な部下」から「有能な参謀」へ 「カスタム指示(Custom Instructions)」は、ChatGPT全体の応答スタイルをあらかじめ設定しておく機能です。ここに適切な指示を書き込むことで、AIの応答品質は劇的に変わります。特に重要なのが、以下の3点です。 1. AIの「迎合性」を破壊し、「自分の脳の外側」に出る 対話型AIは、その仕組み上、ユーザーが望むであろう回答を返すように最適化されがちです。あなたが提示した意見に同意し、プランを肯定する。これでは、あなたの思考の範囲を超えるアイデアは永遠に生まれません。ビジネスでブレークスルーを起こすには、自分の中にはない視点や、計画の盲点を突くような意見こそが必要です。 そこで、カスタム指示に「返信は常に中立な立場で、懸念点などがあれば批判も含めて回答するようにしてください」といった趣旨の一文を必ず加えてください。これにより、AIはあなたのご機嫌取りをやめ、客観的な分析者として機能し始めます。耳の痛い指摘を恐れず、AIに健全な緊張関係を強いること。これが、思考の壁を打ち破るための鍵です。 2. 「引用なき情報」を排除し、意思決定の質を高める AIが生成するもっともらしい嘘、「ハルシネーション」はビジネス上の大きなリスクです。「論拠(ソース)のないデータに価値はない」という鉄則を、AIとの対話にも適用せねばなりません。 そこで、「回答は『事実』と『推論』に分けて記載し、事実には必ず引用元を提示してください」という指示を追加します。これにより、回答のどの部分が信頼できる情報で、どの部分がAIのアイデアなのかを明確に区別できます。「事実」は引用元を辿って裏付けを取り、「推論」はあくまでアイデアとして吟味する。この一手間が、誤った情報に基づく意思決定を防ぎます。 3. 言葉遣いを調整し、コミュニケーションを円滑に AIの回答は、時に専門用語が多かったり、体言止めで分かりにくかったりします。「自然で平易な日本語で回答してください。専門用語は、最初の一回だけ意味を括弧書きで補足してください」のように、読みやすい文章スタイルを指示しましょう。「高校生にも分かるように」といった具体的なレベル設定も有効です。これらの指示は、使っていく中で気になった点を「今後こうならないように指示を追加して」とChatGPT自身に聞き、随時更新していくのがおすすめです。 プロジェクト:専門分野ごとの役割を与える カスタム指示はあくまで「全体設定」です。「〇〇の専門家として回答して」といった役割設定をここに入れてしまうと、レストラン選びのようなプライベートな相談のときにも専門家として振る舞ってしまい不便です。 そこで活用したいのが「プロジェクト」機能。これはフォルダのようなもので、「マーケティング相談用」「会計相談用」といったプロジェクトごとに、専用の指示を設定できます。これにより、相談内容に応じてAIのペルソナを切り替えられるのです。私の場合は、スマホで閲覧するために「出力をコンパクトにまとめる」といった見た目の調整用プロジェクトも作っており、こうした使い分けも非常に便利です。 GPTs:定型作業を自動化する専用ボットを作る レシート画像を読み込ませて経費の仕訳をさせたり、議事録の音声を要約させたり、といった繰り返し行う定型作業は「GPTs(ジーピーティーズ)」機能を使って自動化しましょう。 これは、特定の目的に特化した自分だけのオリジナルAIチャットボットを作成できる機能です。 一度設定してしまえば、あとはファイルを渡すだけでAIがよしなに処理してくれるようになります。こうした定型作業を一つずつGPTs化していくことで、あなたはより創造的な業務に時間を使えるようになります。この機能も有料プランでのみ利用可能です。 AIの能力を最大限に引き出す質問(プロンプト)のコツ ここまでの設定を終えたら、あとは「いかに上手に質問するか」が鍵となります。基本は、あなたが他の人に何かを相談したり、仕事を依頼したりする時と同じように、丁寧な情報提供を心がけることです。 私が意識しているのは、「現在・過去・未来」のフレームワークです。「(過去)これまで〇〇という経緯があり、(現在)今△△という状況です。(未来)最終的に□□という状態を目指しています。そのために、こういう方法を考えていますが、これについて評価と、具体的な実行ステップを提案してください」というように、背景や目的、そして自分なりの叩き台を伝えることが重要です。 AIからの回答がしっくりこなかった場合は、一人で悩む必要はありません。「正直、今の回答はいまいちでした。より精度の高い回答を得るためには、こちらから他にどんな情報を提供すればよいですか?」とAIに「逆質問」してみてください。AIとの対話を通じて、協力して回答の質を高めていくという意識を持ちましょう。 まとめ:AIを使いこなし、変化の時代を乗り越える 今回は、生成AIをビジネスで活用するための心構えと具体的な設定方法について、私の実践知を交えて解説しました。 前提として、有料プランを使い、AIの得意な領域(20→80)で活用する。 「カスタム指示」で、AIの迎合性を排除し、引用を徹底させることで「有能な参謀」に育てる。 「プロジェクト」や「GPTs」を使い、用途に応じて役割分担と自動化を進める。 質問する際は、背景や目的、叩き台を具体的に伝え、「逆質問」も活用する。 これらのポイントを押さえるだけで、生成AIはあなたの業務を力強くサポートしてくれるパートナーに変わるはずです。まずは今回ご紹介した内容を参考に、改めてAIとの対話を試してみてください。きっと、以前とは違う手応えを感じられるでしょう。 関連情報 ChatGPT 公式サイト Google Gemini 公式サイト Microsoft Copilot 公式サイト Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 生成AIを使ってみたが、期待したような質の高い回答が得られないのはなぜですか。 AIは、0から1を生み出すような漠然とした質問が苦手です。AIは思考の「20から80」を担うのが得意なので、質問者が「0から20」にあたる前提条件や背景、目的を具体的に伝えることで、回答の質は大きく向上します。 ChatGPTの無料プランと有料プランでは何が違いますか。ビジネスで使うならどちらが良いですか。 ビジネスで利用する場合、有料プランをお勧めします。回答速度が速く、より高性能なモデルを利用できます。また、本編で解説している「カスタムGPT」の作成など、業務効率化に役立つ機能は有料プランでしか使えません。費用対効果は高いと考えられます。 AIが嘘の情報(ハルシネーション)を答えるのが心配です。対策はありますか。 はい、設定で対策が可能です。カスタム指示(Custom Instructions)に「事実と推論を分けて記載し、事実には必ず引用元を提示してください」といった指示を入れることで、情報の信頼性を自分で確認しやすくなり、ハルシネーションのリスクを低減できます。 AIに専門的な内容を質問する際に、毎回同じ設定をするのが面倒です。効率化する方法はありますか。 ChatGPTの「プロジェクト」機能を使うと解決できます。例えば「マーケティング相談用」プロジェクトを作成し、そのプロジェクト専用の指示として「あなたはマーケティングの専門家として回答してください」と設定しておけば、その都度指示を入力する手間が省けます。 AIへの質問の仕方がわかりません。どのような情報を含めれば、精度の高い回答が得られますか。 「現在・過去・未来」の情報を盛り込むと効果的です。具体的には、「(過去)これまでこういう経緯があり、(現在)今こういう状況で、こういう課題がある。(未来)最終的にこうなりたい」といった背景や目的を伝えることで、AIは文脈を理解し、より的確な回答を生成しやすくなります。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第574回:中小企業の不安を無くし、良い回答を得るための「生成AIの必須設定」 は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。 | — | ||||||
| 10/6/25 | ![]() 第573回:Web担当者のための「燃え尽きを防ぐ」タスク管理のポイントとは | なぜあなたのタスク管理はうまくいかないのか?多くの人が陥る「一つの誤解」とは ToDoリスト、GTD、ポモドーロ・テクニック…世の中には数多くのタスク管理術が存在します。しかし、「色々と試したけれど、どうもうまくいかない」と感じている方も多いのではないでしょうか。タスクに追われ、計画通りに進まず、自己嫌悪に陥ってしまう。その根本的な原因は、テクニックの問題ではなく、タスク管理に対する「ある誤解」にあるのかもしれません。 今回は、その誤解を解き、タスク管理を成功に導くための最も重要な考え方についてお話しします。 「自己成長」のためにタスク管理をするのではない 結論から言うと、タスク管理が失敗する最大の理由は、「タスク管理」と「自己成長」を混同してしまっているからです。 私たちはタスクリストを作成するとき、無意識のうちに「もっと効率的に、もっと多くのことをこなせる理想の自分」を基準に計画を立てがちです。「これくらいは出来なければいけない」という成長目標を、日々のタスク管理に持ち込んでしまうのです。 しかし、タスク管理の本来の目的は、「今の自分を最大限に活用すること」です。理想の自分ではなく、現実の自分の能力やコンディションを基準に、最もパフォーマンスが高まる方法を見つけ出すためのツールなのです。 この2つを切り離して考えること。それが、あらゆるタスク管理術を機能させるための、最も重要で、最初に行うべきステップです。 「今の自分」を最大限に活用する鍵は「客観視」にある では、「タスク管理」と「自己成長」を切り離し、「今の自分」を最大限に活用するためにはどうすればよいのでしょうか。その鍵は「自分自身を客観視する」ことにあります。 「これくらいで出来るはずだ」という主観や思い込みを一度捨て、データに基づいて「今の自分」がどのような状態なのかを冷静に把握する必要があります。ここからは、そのための具体的な3つのステップをご紹介します。 ステップ1:作業時間を正確に計測する まずは、自分が一つの作業にどれくらいの時間をかけているのかを、客観的なデータとして記録することから始めましょう。「提案書作成なら3時間くらいかな」「メール返信は1件5分だろう」といった感覚的な見積もりは、実際の結果と大きくずれていることがほとんどです。 私の場合、デスクトップ上の作業をすべて記録するタイマーアプリを使っていますが、使い始めた当初は、自分の感覚と実際の作業時間の差に驚くことばかりでした。このような客観的なデータを集めることで、初めて現実的な計画を立てるための土台ができます。 ステップ2:自分の「パフォーマンスの波」を受け入れる 次に、自分がどのような時にモチベーションが上がり、どのような時に下がるのかを把握します。「モチベーションは常に高く保つべきだ」と考えがちですが、人間である以上、パフォーマンスに波があるのは当然です。1日の中でも、驚くほど集中できる時間もあれば、どうしても集中力が続かない時間も存在します。 大切なのは、その波を否定せず、受け入れることです。その上で、「どうすればハイパフォーマンスモードに入れるか」という自分だけのスイッチを探しましょう。自分の特性を冷静に理解することが重要です。 ステップ3:パフォーマンスレベルに合わせたタスクを割り振る 作業時間と自分のパフォーマンスの波を把握したら、それに基づいてタスクを割り振ります。ポイントは、パフォーマンスのレベルを「高・中・低」の3段階くらいに分け、それぞれに適したタスクをあらかじめ用意しておくことです。 ハイパフォーマンス時:思考力や創造性が求められる、重要なタスク ミドルパフォーマンス時:定型的な業務や、ある程度集中力が必要なタスク ローパフォーマンス時:単純作業や情報収集など、やる気がなくてもできるタスク 特に重要なのが「ローパフォーマンス用のタスク」です。「やる気がない時は何もしない」のではなく、「今の自分でもこれならできる」というタスクを用意しておくことで、自己嫌悪に陥るのを防ぎ、少しでも業務を前に進めることができます。 タスク遂行を後押しする「ルール化」の力 自分を客観視して立てた計画を、さらに確実に実行するための補足的なテクニックが「ルール化」です。 休息のルール化:パフォーマンス維持に不可欠な休息を、「このタスクが終わったら5分休む」のように強制的にスケジュールに組み込みます。 「嫌なこと」のルール化:開きたくないメールなど、後回しにしがちなタスクは「何も考えずに即開封する」といった機械的なルールで処理し、心理的負担が増えるのを防ぎます。 まとめ:自分を受け入れ、タスク管理を本当の武器にする タスク管理を成功させる秘訣は、高度なテクニックを学ぶことではありません。まずは「タスク管理」と「自己成長」を明確に切り離すこと。そして、そのために「今の自分」を客観的に知り、受け入れることから始めてみてください。 現実の自分を土台にして初めて、GTDやポモドーロ・テクニックといった手法が真価を発揮します。「自分で決めたことを遂行できた」という小さな成功体験の積み重ねは、やがて大きな自信につながるはずです。タスク管理を、自分を縛るものではなく、自分を最大限に活かすための強力な武器にしていきましょう。 関連情報 Getting Things Done® (GTD®):タスク管理・生産性向上メソッドGTDの公式サイト Pomodoro® Technique: 時間管理術ポモドーロテクニックの公式サイト。25分の作業と短い休憩を繰り返すことで集中力を維持します。 Timing Tracker: 作業時間を記録・分析するためのタイムトラッキングツールの一つです。(中山が使用) 厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト: 生産性向上や労働時間管理に関する公的な情報や支援策 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 色々なタスク管理術を試しても、なぜうまくいかないのでしょうか? 多くのタスク管理術は、自分自身を客観的に把握していることが前提になっています。自分の作業ペースや集中力の波を理解しないままテクニックだけを導入しても、計画と現実の間に乖離が生まれ、うまくいかないことが多いのです。 タスク管理を始める上で、まず何から手をつければ良いですか? まず「自分を知る」ことから始めるのが重要です。具体的には、①自分の作業時間を客観的に記録する、②どういう時に集中できるか・できないかを把握する、③パフォーマンスの波に合わせてタスクを割り振る、という3つのステップが有効です。 どうしてもやる気が出ない時、どうタスクと向き合えば良いですか? やる気が出ない時間があることを前提に、あらかじめ「低いパフォーマンスの時にやるタスク」を用意しておくことをお勧めします。何もしない状況を避け、少しでも前に進めることで自己嫌悪を防ぎ、生産性を維持できます。 計画通りにタスクが進まず、自己嫌悪に陥ってしまうんですよね。 タスク管理と「自己成長」を一緒に考えてしまうと、理想と現実のギャップから自己嫌悪に陥りがちです。まずは「今の自分を最大限に活かす」という視点でタスク管理を行い、自己成長は別の課題として切り離して考えると、精神的な負担が軽くなります。 タスクを効率的にこなすために、すぐに実践できることはありますか? 「休息」と「嫌なことの処理」をルール化することです。例えば「1時間作業したら5分休む」「開けたくないメールは即時開封する」のように機械的なルールを設けることで、意思決定の負荷を減らし、結果的に全体の生産性を高めることができます。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第573回:Web担当者のための「燃え尽きを防ぐ」タスク管理のポイントとは は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。 | — | ||||||
| 9/29/25 | ![]() 第572回:「Google検索対ChatGPT検索」を考える意味はあるのか? | 生成AIが検索の常識を変えます。AIモードで自社名やサービス名を検索しましたか。放置すると危険な評判リスクについて、中小企業が今すぐ取り組むべき監視とメンテナンス方法を具体的に紹介します。 | — | ||||||
| 9/18/25 | ![]() 第571回:放置は危険… Google AIモードや ChatGPTが潜在的に持つ 自社の評判への脅威 | Googleの生成AI機能、日本上陸で問われる新たなウェブ戦略 先日、Googleの検索結果に生成AIが要約を表示する「AIモード(AI Overview)」が、ついに日本でも利用可能になりました。多くの方が、ご自身のビジネスに関連するキーワードで、どのような結果が表示されるか試されたのではないでしょうか。 しかし、競合や市場の動向を調べること以上に、まず確認すべき重要なポイントがあります。それは、「自社について検索した際に、生成AIがどのような情報を生成するか」です。今回は、生成AI検索の時代に必須となる「ブランド情報の防衛」という観点について、その重要性と具体的な対策をお話しします。 生成AI検索と従来の検索、その決定的な違いとは なぜ、自社に関する生成AIの結果をモニタリングする必要があるのでしょうか。それは、生成AIによる検索体験が、従来の検索とは根本的に異なる特性を持っているからです。 単一の「答え」として提示されることの危うさ 従来のGoogle検索では、あるキーワードで検索すると、様々なウェブサイトがリスト形式で表示されました。私たちはその中から複数の情報を比較・検討し、「この情報は信頼できそうだ」「こちらは少し違う視点だ」と、総合的に判断を下すことができました。 一方、AIモードやAI Overviewは、多くの場合、単一の要約された「答え」を提示します。複数の意見が併記されることもありますが、基本的には一つのまとまった回答として表示されるため、ユーザーはそれをそのまま事実として受け入れてしまいがちです。検索結果に表示される多様な視点が失われ、生成AIが生成した一つの回答が、そのまま世間の認識として広まってしまうリスクをはらんでいます。 生成AIは「事実」を語っているわけではない ここで理解しておくべきなのは、大規模言語モデル(LLM)は、情報の正しさや善悪を判断しているわけではない、という点です。大規模言語モデル(LLM)は、膨大なテキストデータから文脈における単語同士の関連性パターンを学習し、次に来る確率が最も高いと判断した言葉を予測して繋ぎ合わせることで、文章を生成しています。つまり、ファクトチェックの機能が働いているわけではありません。 そのため、学習データの中に誤った情報や古い情報、あるいは意図的に操作された情報が含まれていると、LLMはそれを「事実」として学習し、回答に含めてしまう可能性があります。これが、生成AI時代のブランド管理を難しくする大きな要因です。 生成AI時代に潜む新たな脅威「ブランドへの意図的な攻撃」 このLLMの特性は、悪意を持った第三者による攻撃のリスクも生み出します。実際に、海外メディアでもこうした攻撃手法を「Directed Bias Attacks」と名付け、警鐘を鳴らしています。これは、特定のブランドに対して意図的に偏った(バイアスのかかった)情報をウェブ上に大量に拡散することで、生成AIに「このブランドはネガティブな情報と関連が深い」と誤って学習させ、その評判を毀損する回答を生成させようとする攻撃です。 例えば、特定の企業に関する事実無根のネガティブな情報を、様々なブログや掲示板に大量に書き込む、といった手法が考えられます。実際に、これまでご支援してきたクライアントの社名やサービス名で生成AI検索を試した際、過去の古い情報や、たった一件のネガティブなレビューブログに内容が引きずられてしまうケースが見られました。こうした状況は、意図的な攻撃がなくとも起こりうるのですから、「Directed Bias Attacks」は決して対岸の火事ではありません。 私たちが今すぐ始めるべき「生成AI時代のブランド衛策」 では、こうしたリスクに対して、私たちはどのように備えればよいのでしょうか。重要なのは、受け身ではなく能動的に自社の情報を管理していく「自衛」の姿勢です。 1. 定期的なモニタリング まずは、自社が生成AIによってどのように語られているかを把握することから始めましょう。 何を調べるか:会社名、サービス名、商品名、代表者名など。可能であれば「会社名 評判」「サービス名 ブラック」といった、想定されうるネガティブな掛け合わせキーワードも試してみましょう。 どのプラットフォームで調べるか:現状、世界のシェアのほとんどを占めている「ChatGPT」と、これから検索の中心になっていくであろう「GoogleのAIモード/AI Overview」の2つは最低限チェックすることをお勧めします。 どのくらいの頻度で調べるか:特にBtoBビジネスや採用活動に力を入れている企業の場合、評判がビジネスに直結しやすいため、少なくとも週に1回程度はチェックする習慣をつけるのが理想です。 2. 問題を発見した場合の対処法 モニタリングの過程で、事実と異なる情報や、意図しないネガティブな情報が表示された場合は、迅速な対応が必要です。 幸い、現在のGoogleのAIモードやChatGPTは、回答の根拠となった「情報源(ソース)」へのリンクを表示してくれるんです。まずはその情報源を特定し、ウェブサイトの運営者に連絡して記述の修正を依頼することが第一歩です。 同時に、自社のウェブサイトやオウンドメディア、プレスリリースなどを通じて、正しい情報を積極的に発信していくことも極めて重要です。正確で質の高い情報を増やすことで、生成AIが参照する情報源を上書きし、より適切な回答が生成されるよう働きかけていきます。 3. 法的対応の現状と難しさ 生成AIが生成した内容について、プラットフォーム提供者(GoogleやOpenAIなど)の法的な責任を問うことは、現状の法律では非常に難しいとされています。サービス自体が成り立たなくなる可能性もあるため、法整備が追いついていないのが実情です。だからこそ、誰かが守ってくれるのを待つのではなく、自ら情報を守る「自衛」が、現時点で最も現実的かつ効果的な選択肢となります。 まとめ:ブランド管理は「第二のウェブサイト運用」へ AIモードやAI Overviewは、まだ広告が本格実装されていないなど、Google自身も様々なテストを行っている段階です。しかし、今後デフォルトの検索体験がAI中心に移行していくことは、ほぼ間違いないでしょう。 その時、生成AIが語る自社の姿は、見込み客や取引先、そして未来の従業員が目にする「第二の公式サイト」とも言える存在になります。ウェブサイトを定期的に更新し、メンテナンスするように、生成AI検索における自社の情報も、継続的にモニタリングし、改善していく。これからのウェブ担当者には、そうした新しいタスクが求められていくのではないでしょうか。 まずは一度、ご自身の会社名で生成AIに問いかけてみてください。そこから、新しい時代のウェブ戦略が始まります。 Web活用の「最初の一歩」に関するよくあるご質問 Googleの「AIモード」とは何ですか?従来の検索と何が違うのですか? Googleの検索結果にAIによる要約(AI Overview)が表示されたり、AIと対話しながら情報を探せる新しい検索機能です。従来の検索が複数のサイトを一覧表示するのに対し、AIモードは一つの要約された回答を提示する傾向がある点が大きな違いです。 AI検索が自社の評判にどんなリスクをもたらすのですか? AIは様々な情報を統合して一つの回答を生成するため、過去の誤った情報や一部のネガティブな意見が増幅され、あたかもそれが事実であるかのように表示されるリスクがあります。これにより、ブランドイメージが意図せず損なわれる可能性があります。 自社の評判をAI検索でチェックする際、具体的に何をすればよいですか? 自社の会社名やサービス名で検索し、どのような情報が表示されるかを確認してください。「株式会社〇〇 評判」「〇〇サービス 内容」のように、見込み客が検索しそうなキーワードで試すことが重要です。これを定期的に行い、情報の変化を監視する必要があります。 AI検索で自社に不利な情報が表示された場合、どう対処すればよいですか? まず、AIが参照している可能性のある情報源(ウェブサイトやブログ記事など)を特定します。その情報源の管理者に連絡し、記述の修正や削除を依頼することが一つの方法です。また、自社の公式サイトなどで正確な情報を発信し、AIが正しい情報を学習するよう促すことも重要です。 なぜAIは誤った情報やネガティブな情報を表示してしまうのですか? AI(大規模言語モデル)は、情報の正しさや善悪を判断しているわけではありません。ウェブ上の膨大な情報から、単語や文章の関連性が高いものを確率的に予測して文章を生成しています。そのため、学習データに「かたより」や誤りがあれば、それがそのまま出力に反映されてしまうことがあります。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第571回:放置は危険… Google AIモードや ChatGPTが潜在的に持つ 自社の評判への脅威 は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。 | — | ||||||
| 9/14/25 | ![]() 第570回:【実際】Google検索品質評価ガイドラインはAI検索のどこに影響する?RankEmbed・学習モデルなど | Googleの検索品質評価者ガイドラインは順位にどう影響するのか?教師あり学習・強化学習とWebサイト運用の優先度、クオリティレイターの役割とRankEmbed | — | ||||||
| 9/8/25 | ![]() 第569回:中小企業のWeb+AI活用は、苦手業務(凹)を減らして強さ(凸)を伸ばす時間に充てるところから始めよう | 中小企業が成果を出すための現実的なWeb×AI活用アプローチの最初の一歩は、自社の苦手業務をAIで効率化し、そこで生まれたリソースを本来の強みの強化に再投資する方法です。 | — | ||||||
| 9/2/25 | ![]() 第568回:「己の仕事イコール何と考えるか?」がAI導入への姿勢を変える? | Podcastの概要 ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 今回は「『己の仕事=何』と考えるか?が、AI導入への姿勢を変える」という話をします。AI(Artificial Intelligence)を前にして不安が強くなるか、逆に自分の価値を高める方向に切り替えられるか。その分かれ目は、意外とシンプルです。 AIへの不安が強まる理由を、「仕事の捉え方(作業か、価値か)」で整理できます。 マネジメント側が、AI導入を「分断」にしないために押さえるべきポイントが見えてきます。 自分自身のモチベーションや好奇心を保ち、AIを自己拡張ツールとして扱う考え方が手に入ります。 仕事を「作業」として捉えるほどAIは脅威になり、仕事を「価値」として捉えるほどAIは自己拡張になりやすい。 今回の結論:AIに奪われるか、自己拡張になるかは「仕事の捉え方」で分かれる AI導入が進むとき、「自分の仕事が奪われるのでは」という不安が出る会社もあれば、積極的に取り入れて成果につなげる会社もあります。もちろん職種や業務内容によって危機感の持ち方は変わります。ただ、そことは別の観点として、自分の仕事を何だと思っているかが、受け止め方を大きく左右します。 ここでのポイントは、仕事を作業レベルで捉えているか、作業を通じて実現する価値レベルで捉えているか、です。 なぜ「作業=仕事」だと不安が増えるのか 作業レベルで自己定義すると起きやすいこと 自分の存在意義を「この作業をしているから価値がある」と置いてしまうと、AIはその作業を置き換えうる存在に見えます。すると、どうしても不安や拒否感につながりやすくなります。 代替不安が直撃する:作業が置き換わるほど、自分の価値まで失うように感じてしまう。 AIを敵として捉えやすい:使い方を学ぶより、避ける・抵抗する方向へ傾きやすい。 意欲が下がりやすい:好奇心よりも「守り」が強くなり、成長の糸口を見つけにくい。 価値レベルで捉えると何が変わるか 一方で、「自分はこの作業を通じて、こういう価値を実現している」と捉えられると、AIは「仕事を奪うもの」ではなく、価値提供を拡張するための道具として見えやすくなります。 AIを自己拡張ツール(自分の能力を広げる道具)として扱える:作業の置き換えではなく、成果の引き上げに関心が向く。 学習や工夫が前提になる:「どう使えば価値が増えるか」に意識が向き、好奇心が保ちやすい。 心が楽になる:変化を止められない以上、嘆くより「次にどう動くか」に切り替えやすい。 ここは「気持ちの持ちよう」で片付くほど単純ではありません。ただ、視座を一段上げるだけで、見え方が変わるのは確かだと思っています。 マネジメントができること:伝え方と導入プロセスの設計 マネジメント層にとって重要なのは、AI導入を「ツール導入」で終わらせず、仕事の意味づけとセットで扱うことです。 仕事の説明を「作業」から「価値」へ 「この仕事をやっているから価値がある」と作業で語るのではなく、「この仕事は、こういう価値を生み出すからお願いしたい」と伝える。ここが土台になります。 作業は変わります。だからこそ、作業の背後にある価値が共有されていると、AIが入っても「自分は何を実現する人か」を失いにくくなります。 透明性と参加を先に作る AI導入は、やり方次第で不安を増幅させます。だからこそ、導入前後で以下を丁寧に扱う必要があります。 透明性:会社として何を実現したくてAIを使うのか。何が変わり、何は変えないのか。 参加:現場の不安や意見を拾い、置き去りにしない形で導入を進める。 心理的安全性:不安を言語化できる状態をつくり、「敵ではない」前提を共有する。 部署によって「使う・使わない」が分かれたまま放置すると、分断や対立の火種にもなりえます。会社としての方針を出すこと自体が、導入を円滑にします。 調査から見える共通点 ここからは、私が触れた調査の話です。細部の解釈よりも、共通する示唆を押さえるのが重要だと思っています。 AIを「補完」と捉えるほど、仕事の尊厳や意味づけが保たれやすい IT(Information Technology)分野のインタビュー調査では、AIを「人間の代替」ではなく「補完」と捉える人ほど、仕事の尊厳や意味づけ(meaningfulness)を維持・向上させやすい、という示唆が出ています。 参照: The Impact of AI on Perceived Job Decency and Meaningfulness: A Case Study(arXiv) この示唆は、私が先ほど話した「作業ではなく価値で捉える」こととつながります。AIをパワーアップだと見られるほど、満足感や前向きさが保ちやすいという話です。 透明性・関与設計が、受容とウェルビーイングに影響する HR(Human Resources)領域での整理でも、AI導入が従業員の満足度やメンタル面に与える影響は、透明性やコミュニケーション、そして関与の設計に左右される、という方向性が示されています。 参照: Employee Well-being in the Age of AI: Perceptions, Concerns, Behaviors, and Outcomes(arXiv) 「会社として何がしたいのか」を共有し、現場の不安を拾い、参加の形をつくる。結局は、導入の技術論だけではなく、納得感と意味づけのプロセスが鍵になります。 便利さの代償として、目的感や自立性が揺らぐことがある ロボットと共に働く現場では、身体的負担が軽くなる一方で、目的感や自立性が失われがちだ、という話も報じられています。便利さを享受するだけだと、「自分はなぜこの仕事をしているのか」が揺れてしまうことがある、ということです。 参照: Working with robots often carries mental strain, studies find(Financial Times) 私はこの話を、知的作業でも同じ構造が起きうる、と捉えています。だからこそ、事前のケアや、仕事の意味づけの共有が重要になります。 私自身の実感:絶望より、好奇心とモチベーションを選ぶ 私自身も、作業に囲まれることは多いです。戦略立案やファシリテーションのような領域はまだ代替が進みにくいと感じつつも、「自分の価値って何なんだろう」と思うことは何度もあります。 ただ、そこで絶望するのではなく、「この前提で、どうしたら支払っていただいている金額以上の価値を出せるか」「どうすれば3倍4倍の生産性や付加価値を出せるか」を考えるようにしています。そう考えると、AIは敵ではなく、「使い倒してやろう」と思える対象に変わります。 余談:AIの今は、インターネット黎明期と似ている 今のAIの状況は、1990年代末から2000年代頭の、インターネット黎明期に似ている、と例える人がいます。私もその感覚はあります。 当時は「ネットで物なんて売れない」「わざわざパソコンで検索しない」「文字や写真では人のぬくもりが伝わらないから長続きしない」といった否定的な話を、本当によく聞きました。私がネットを触り始めたのも、その頃です。 その中で私は、ある種の生きる術としてデジタル経営で創業しました。既得権益的なプレイヤーも多く、簡単には稼げないと感じたからです。飛び込み営業をする中でも、「それ意味あるの?」「価値あるの?」「お客さん呼べるの?」と言われることは多かったです。 でも今振り返ると、ウェブでいろいろするのが当たり前になりました。AIが今後どう転ぶかは、マクロ要因もミクロ要因もあって断言できません。けれど、少なくとも私は、ポジティブに捉え、「自分にとって何が役に立つか」を考えながら活用していくのが良いと思っています。 まとめ:自分を「代替される手段」ではなく「生み出す価値」で捉える AIの流れ自体は変えられません。だからこそ、作業そのものを積み上げてきた価値を否定せずに、それを一段上の概念に引き上げて、「自分は何を実現する人か」と捉え直す。ここが、心を楽にし、次の一手を出す助けになります。 ぜひ、自分を手段の代替存在として捉えるのではなく、それによって生み出しているものをコアバリューとして考えてみてください。 今回の内容は以上です。最近AIの話題が増えていますが、今の時期はどうしても触れざるを得ないと感じています。私は現場で泥臭いことばかりやっています。その現場感から、大事だと思うことを話していますので、よろしければ引き続きお付き合いください。 関連リンク The Impact of AI on Perceived Job Decency and Meaningfulness: A Case Study(arXiv) Employee Well-being in the Age of AI: Perceptions, Concerns, Behaviors, and Outcomes(arXiv) Are robots the solution?(University of Groningen) Google NotebookLM | AI リサーチツール&思考パートナー Podcastのお悩み投稿フォーム – Webコンサルタント中山陽平公式 FAQ AI導入で反発が起きる会社と、うまく進む会社の違いは何ですか。 「自分の仕事=作業」と捉えているほど代替不安が強まり、AIを脅威として見やすくなります。逆に「作業を通じて実現する価値」で役割を捉えられるほど、AIを自己拡張として扱いやすくなります。 「作業レベル」ではなく「価値レベル」で仕事を捉えるとは、具体的にどういうことですか。 「私はこの作業をしているから価値がある」ではなく、「私はこの作業を通じて、こういう価値を実現している」と捉えることです。作業は変わっても、提供する価値を軸にすると自分の立ち位置が揺れにくくなります。 マネジメント層は、AI導入のときに何を最優先で整えるべきですか。 会社として何を実現したくてAIを使うのかという透明性を出し、現場の不安や意見を拾いながら参加の形をつくることです。導入の技術論より先に、納得感と心理的安全性を押さえることが重要です。 AIが進化していく中で、モチベーションや好奇心を保つコツは何ですか。 「奪われるかどうか」ではなく、「どう使えば価値が上がるか」に視点を移すことです。価値レベルで役割を捉えると、自然と情報への向き合い方が前向きになりやすいと考えています。 便利になればなるほど、なぜ目的感や自立性が下がることがあるのですか。 便利さを享受するだけだと、「自分はなぜこの仕事をしているのか」「これから何を伸ばせばいいのか」が曖昧になりやすいからです。だからこそ、仕事の意味づけを先に共有し、導入後もケアする仕組みが必要になります。 配信スタンド Apple iTunes 公式ストア Podcast(おすすめ) https://itunes.apple.com/jp/podcast/zhong-shan-yang-pingno-non/id750899892 YoutubePodcast(旧:GooglePodcast) https://www.youtube.com/user/WebMarketingJAPAN Spotify https://open.spotify.com/show/0K4rlDgsDCWM6lV2CJj4Mj Amazon Music Amazon Podcasts ■Podcast /Webinar への質問は こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7 運営・進行 株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング) 代表取締役・コンサルタント 中山陽平 Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/ 投稿 第568回:「己の仕事イコール何と考えるか?」がAI導入への姿勢を変える? は 中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ) に最初に表示されました。 | — | ||||||
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